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HAPPY Y-style

突撃イン!ジュエリーデザイナー津田珠子さんvol.4

2017.03.18 13:00

Vol.3「宝飾品との出会い」続き)

💍アトリエの開設💍

石井▶︎辞められた後、まず絵を出品される。 

ジュエリーはいつ頃から再スタートされたんですか? 

津田🍀絵を描いていたところ、ご近所の方から「こういうジュエリーが欲しいんだけど作れないかしら」というお話がありました。

どうしたらいいかわからないけど、職人さんや石屋さんのツテを頼ったり探していけばなんとかできるかなと思って動き出したのが始まりです。 完成して納品したところ喜んでいただけて。

その方のご友人、また他のご近所の方からリフォーム含めて作りたいというお話をいただいたり、一つ一つ作っていきました。 


石井▶︎今後を考えるために辞められたわけですが、先にオーダーの話があり動き出したのですね。

 津田🍀グループ企業の職人さんからご紹介していただいたり、また自分で見つけたり。相性の良い、手仕事の丁寧な工房を探しました。 

最初の頃は、個人ですからし職人さんの対応も違ったりして、厳しいなと思ったんですけど、いろいろ頼んでみて、今後もやっていけそうだなっていう工房と出会う事が出来ました。 


石井▶︎ご縁ですね。お客様直接と会い、お話を聞いてデザインし、ジュエリーを作り上げていくというのは初めてのことですよね? 

津田🍀最初お持ち込みの石が多く、ダイヤモンド、サファイヤ・ルビーなどのリフォームや御形見分けなどでした。 

中には難しいお石もあったりしましたが、やりようによって石を傷つけずに作ることができたり、これならできる、作れる!という方法を考えながら作っていくのはすごく面白かったです。

初めてのお客様に依頼されたジュエリーが出来上がる前後で、これだったらジュエリーのお仕事できるかなと思い始めました。


石井▶︎そしてアトリエを開設?

津田🍀はい。オーダーを始めて1、2年で今の工房と出会えたので、比較的早い時期にベースができたかなと思います。


石井▶︎アトリエの名前は「ウ ピエ ド ラカンシエル」意味はなんですか? 

津田🍀フランス語で「AU PIED DE L’ARCENCIEL(ウ ピエ ド ラカンシエル)、虹の麓(ふもと)です。 

虹の麓に宝物が埋まっているという、言い伝えみたいなものをどこかで聞いて、素敵なお話だなと思っていました。 

また会社を辞めた冬にパリへ旅し、ルーブル美術館に行った時にお天気雨がパアーと降ったんです。 その時美術館の窓ごしに虹がかかっているのが見えて、とても綺麗な光景だったんです。

それを眺めながら、先程の言い伝えをアトリエの名前にしたら素敵かな、と。 

実は場所が特定されないのもいいなと思ったんです。成城学園のこの場所も母のギャラリーですがジュエリーは置いていませんし。アポイントとっていただきその時にお会いする。 

またお客様のところにも伺ったりしていますから、拠点を固定せず、どこにでもいけます。 

ただ発音しづらいのと、つづりが難しいのでみなさんからどう読むの?とよく聞かれます(笑) 


石井▶︎「虹の麓」確かに虹はどこでも出来ますし、見ることもできる。お客様のところが虹の麓とも言えますね。 

アトリエも立ち上げ、個展なども毎年開催されています。 

津田🍀ジュエリーデザイナーとして個展をやりますと言ったのは、2004年が最初です。

新作展は桜の季節でしたね。 ジュエリーでお仕事ができると思い始めたころから、これまで自分が描いた絵とジュエリーの作品を一緒に個展をやりたいなと思っていました。

メーカーを退職する時にコンテストの作品を一部買い取らせていただいていていました。 

また、当時渋谷にあったギャラリーはある程度スペースも広かったので、絵とコンテスト作品を展示するのなら、新作ジュエリーもお披露目という形であった方がいいなと。

ファーストコレクション「デ・スクレリーズ」お菓子をデザインし始めていた頃です。指輪とブローチが数点というコンパクトなものでした。

この2004年の個展から毎年1回、絵とジュエリーと並行して一緒にやっていくことにしました。 


石井▶︎絵とジュエリー、面白いですね。

2006年にジュエリーを媒体としたアートで新たなチャレンジをされていますね? 

津田🍀2006年はこの時にデザインしたジュエリーは「アダプション」というタイトル、養子縁組というものです。パールに手足が付いているネックレスで、首にしがみつく小さい子供のようなイメージです。 

それを絵と一緒にしてパリ国際サロンに出品させてもらえたんです。ジュエリーだけの出品はできないのですけれど、絵とジュエリー両方やっているから、それを繋ぐことでオリジナリティが出せないかなと考えていて、ジュエリーを通してアート的なアプローチというか、感覚に訴えるようなことをしてみたくなりました。

 

石井▶︎ジュエリーデザイナーさんだと絵を描ける方はたくさんいらっしゃると思いますが、アートとのコラボレーションはこれまでにないアプローチですね。 

津田🍀ジュエリーの個展というと敷居の高い印象があって入りづらいですし、買うまで帰れないとかそういうイメージがどうしてもあります。そういうのは何となく嫌だったんです。

アートと一緒に見ていただくことで、楽しい!とか面白い!とかそういう気持ちで帰っていただきたい。男性の方だったりお子様とだったり、気軽にきていただけるようにしたかったんです。


石井▶︎確かにジュエリーの個展というか展示会というと、日本の場合は買う前提的な空気があります。私も2度ほど伺っていますがまさにアートの個展的な印象ですね。いろいろ発見させていただいたり、面白かったり、ジュエリーの展示会とは全く違います。 

毎回新鮮な雰囲気だと、いろいろ計画されていくのでしょうか。 

津田🍀始めた当初は、毎年お客様を楽しませたいと思って。

テーマを考え、新しいデザインやコンセプトで楽しんでいただこうとやってきていたんですけど。10年くらい経ってある程度コレクションも増えてきて、そうなるとこのシリーズはもっと深めたい、逆にこのシリーズはここまでかな、と取捨選択できるようになってきました。

これからは全体をまとめつつ演出の方法を変えていこうと考えています。 

石井▶︎この春も個展をされますね。<詳しくは下をクリックしてくださいね>

津田🍀3月22日から26日まで、渋谷神宮前のPerry House Galleryで行います。 

今回は、お菓子をモチーフにしたファーストコレクション「デ・スクレリーズ」をメインに演出したいと思っています。 


石井▶︎オーダーのお客様とコレクションをお求めになるお客様とどちらが多いですか? 

津田🍀最初はオーダーの方が多かったです。

2、3年前から百貨店さんのホテル催事などに参加させていただく機会が増えたので、コレクションの方が多くなっていますね。 

オーダーはお客様からご依頼いただき、それぞれのご要望を元にお仕立てしていく。 コレクションの方は、それを元にカスタマイズしてお仕立てするというお話も多いので、コレクションがサンプルピースにもなっています。

チェーンなどもお客様に合わせてサンプルより太い線形に変えたり、男性の方だとペンダントトップをラペルピンにアレンジしたり。メイン部分のお石を変えて、ということも可能です。 

石井▶︎実際にあるコレクションから広げていくと、リアルですしイメージしやすい。

このデザインはこのまましか作れませんではなくて、フレキシブルに合わせていただけるのもいいですね。

<Vol.5「オーダージュエリーの世界」へ続く>