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HAPPY Y-style

突撃イン!ジュエリーデザイナー津田珠子さんvol.7

2017.03.20 13:00

Vol.6コレクションに続く)

💍石種ではなく色で選ぶカラーストーン💍

石井▶︎コレクションを拝見していくと、石の使い方、色が特徴がありますね。 

私が津田さんを知ったのがTV通販に出演されていた時です。 

その時の記憶ですが、津田さんは石の種類を選んでデザインするのではなく、まず色でセレクトして、それに合う宝石を選んでオーダーカットしているというお話が残っています。 

通常なら、ルビーを使っていますとか、カットはラウンドです、オーバルです、マーキースですとかという説明になるのですが、そう言った話は一切なかったように思います。

石の種類というよりも色がテーマになりますか? 

津田🍀そうです、色ですね。石種というよりカラーリング重視です。

お客様が身に着けられたり、ジュエリーとして完成した時の見た目に情報としての石種は関係ないので。 

もちろん天然石であるというのは大前提ですが、石種だと例えばアメシストといっても淡色から濃色まで幅が大きいですよね。

お肌にのせた時の色映え色写りを考えると、カラーリングから考えた方が良い。

コレクションに関しては、カラーチップを使い色の指定をしています。 


石井▶︎宝石質の石はほぼ透明石です。

カラーチップというと印刷やファッションなどの色指定に使われるもので白紙にインクで印刷されたチップです。逆に透明石だと色がわかりづらいようにお思いますが。 

津田🍀おっしゃっているパントーンのチップだと濁った色になる

そこで自分で石用のチップを作りました。

石井▶︎ご自身で作ったんですか? 

津田🍀はい。石屋さんや職人さんからこれなんですか?とよく聞かれます。

ただそのチップを見せながらお話すると、この色ならあの石が用意できる、その色ならこの石かな、という具体的なお話ができるのがメリットです。 

石井▶︎伝わりやすくなったんですね。

石のカットもオーダーカットですよね? 

津田🍀チドリの場合は、契約工場で研磨をお願いし工房で石留めしています。

職人さんがこの留め方なら、縦横の高さのmm数と誤差mmまでというサイズを出してくれます。

それを石屋さんにお願いして、測って。

これダメです、もう少し削ってくださいなどと返したり。そういう作業になります。 

石井▶︎本当に石種ありきではないんですね。 

津田🍀デザインがあって、色もあって、形もあって、その中で合うか合わないか。

色味の幅はある程度仕方ないと思っています。

ちょっと濃かったり、薄かったりしても配色のまとまり感を優先して製作します。

天然石ですから。

石井▶︎でも色で選ぶと、石種が様々あって硬度や結晶がそれぞれ違うので石留職人さんは困りそうですね。

津田🍀これまでも色々大変なことをお願いしたので、職人さんもマンネリ化せず毎回新しいものが来ると思っていただけているみたいで、お互いに刺激的で面白いです。

あれはできるけど、これはできない、どうする?みたいな。

いつもワイワイ言ってやっています(笑) 

石井▶︎なるほど。 津田さんのデザインはカラーストーン、様々な色石をふんだんに使ってというイメージがあります。

ダイヤモンドに関しては同じ位置付けの中の、無色透明クリアな石という存在ですか? 

津田🍀そうですね、ダイヤモンドに関しては、石というよりも、ダイヤモンドはダイヤモンド。 

自分のコレクションで大きなダイヤモンドをメインにしたデザインはないのですけれども、例えば、エンゲージリングのオーダーでダイヤモンドを使ってとお受けする場合は、ご予算の中で大きさ、カラーやクラリティの違う裸石をいくつかご覧頂いています。

ダイヤモンドも天然石なので一つ一つ違いますから。その中でお客様の手に乗せてみて、肌写りや輝きだったり大きさだったりを見ていただいて、一番相性の良いものをご自身で選んでいただくという。

そうすると同じダイヤでもただ白い、輝くだけではなくて、何か違うんだなと感じていただけると愛着が湧きますし、特別になります。 

石井▶︎なるほど、ダイヤモンドも天然石ですものね。 Dカラーですよ、最高クラスのクラリティIFですよ、ではなくてご自身が身につけて合うかどうかオーダーならではですね。 

津田🍀特別かなと思っていますね。


💍こだわりのメイドインジャパン 

石井▶︎ジュエリーの制作過程はたくさんの人の手を介して出来上がるものです。

ですが、それによって今までなかったものが出来上がる楽しさでもありますよね。もちろん、互いに信頼関係を持った方々とのチームワークあってこそですが。 

出来上がるまでの管理も必要ですから、ディレクターでもあるといえる。何が一番大変ですか? 

津田🍀今はメインの工房がありますが、

ナイトパレードのシリーズの場合はチェーンやフリルなど部分毎に国内の別工房で製作し、最終的にメイン工房で組み上げを行っています。

各部分を作るのにそれぞれ1ヶ月ずつはかかりますので、 大きいネックレスで3ヶ月ほど。

簡単なものならトータル1ヶ月でできたりもしますが各工房とのやり取りや輸送など、ナイトパレードはスケジュール調整が一番大変でした(笑)


石井▶︎津田さんのものは1点ものですね。

津田🍀ほぼほぼそうですね。 

石井▶︎しかしいろんな難題を投げても職人さんは嫌がらないのですね? 

津田🍀おかげさまでというか、こんなこともできる!という向上心、新しい挑戦を良しとする方々なのでありがたいですね。すごく前向きにやってくれる。嬉しいです。

石井▶︎100年使えるジュエリーですよね。 本当は簡単に処理しても見た目は同じにできますが、手間をかけても後々メンテナンスできるよう仕立てられている。 全て国内でお作りですか? 

津田🍀自分の作品は全て国内で、目の届く範囲で作ると決めているのでメイドインジャパンにこだわって製作させていただいています。

石井▶︎ナイトパレードのレースのようなチェーン部分は、通常チェーンの素材を仕入れて組むという。 ジュエリーって全てオリジナルと言えるとは思うのですが、やはりハイブランドのこれに似ているとか、あのエッセンスがこれかなとか、ついみてしまうものが多いのですが、

津田さんのコレクションは、みたことがあるなという印象のジュエリーがないものがほとんどなんですよね。

津田🍀ありがとうございます。

Vol.8 Last(最終章)へ続く>