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HAPPY Y-style

突撃イン!ジュエリーデザイナー津田珠子さんvol.8 LAST

2017.03.20 23:00

Vol.7メイドインジャパンに続く)

💍「女性に着けて差し上げたい」その思い💍 

石井▶︎ところで、津田さんはジュエリーは身につけられますか? 

今日もそうですが、個展の時も着けていらっしゃらなくて。 

津田🍀あまりつけていなくて。 

お客様の肌に触れることもあるので着けていても外しますし、気になってしまうので。自分は着けないことが多いですね。

催事などでは言われてアイコン的に着用させられる時もありますが。 


石井▶︎ジュエリーが大好きでこの世界にいるという方もいますが、 

津田さんの場合はジュエリーはアートの一つという感覚でしょうか。  

津田🍀そうですね、どちらかというと自分が着けたいより、

男性のジュエリーデザイナーさん達みたいに「女性に着けていただたい」と思っています。

パリのお針子さんたちのような、自分で身にまとうというよりそれを身にまとった女性を美しくしたいという感覚ですね。 


石井▶︎身につけた女性を美しくしたいという。

そのジュエリーをデザインするのに共通したテーマというか譲れないというテーマなどはありますか? 

津田🍀なんでしょう…「エレガント」。 


石井▶︎「エレガント」がテーマですか? 

津田🍀「エレガント」は必須項目というか、それはデザインテイストもそうですが、作りの面でエレガントなところを感じないとジュエリーではないと思っています。 


石井▶︎エレガントをデザインするとどんな感じになりますすか? 

津田🍀ラインが美しいこと、不自然なではないこと。 

肌に当たった時に不自然だと違和感を感じるので、デザイン画の段階でそれを想定してはいますが、出来上がってきたものが大丈夫かどうか実際触れてチェックします。

例えば爪の表面に見えている部分から死角に消えていく部分、「稜線」がきちんとできているか。

見えない内部につながっていくラインというか。立体感に繋がるポイントです。 

石井▶︎確かに人は、違和感って何気なく感じることがありますね。

そういうものがないようにしている。作りもエレガントでなくてはならない? 

津田🍀ファーストインプレッション(初見)でおかしいと違和を感じるものは、

かならず何か原因があります。

複数の宝石の中にたまたま1個合成石が混じっているなんていうのは極端な例えで、まずありえませんが(笑) 

メッキをかけたはずなのに厚みが足りなくてかかっていないとか、石を留めた下にマスキング液が残っていたり。

何か違和感を感じた時に、まっいいかと思わないようにしています。

なぜそこが変と感じるか、理由を明らかにしないと気が済まないんです。 

オートクチュールをお作りしている時、石留めの前に本体のフォルムチェックをします。

良い時はすごくいいけれどダメな時もあります。

皮膚感覚なので言葉で説明しづらい時もありますが直してもらうためには、

どこがどう違うのか、理論的に、具体的に職人さんに伝えることが大事かなと思っています。 

石井▶︎一つの違和感を妥協してしまうと、出来上がりはさらに違和感ができてしまう。

美は細部に宿るという言葉もありますね。

宝飾品としての手を抜かない仕立ては、まさしくエレガントというのかもしれませんね。 


もともとジュエリーとは関係のない博物館学芸員になろうとされていた中で、

偶然ジュエリーデザインの世界に入られ仕事になった。

アトリエも作りフリーでご活躍です。

社会人になってずっとジュエリーの世界ですが、続いている魅力はなんでしょう。


 津田🍀自然界で育まれる天然のもの、今はいろんな合成石なども市場にありますが、

その中で天然にできたものだけを使って、長く使っていただける、美しいものを作りたい、

お客様に喜んでいただけてそれをお子さんにも繋いでいける、

そういう心のつながり、

エモーショナルな関係を作れるコミュニケーションツールになれるのがジュエリーの魅力ですね。


宝石本来の希少価値、美しさもありつつ心に添える。

こんなに小さいのにたくさんの要素を持っている。

自分の表現もそこに入れられて、メンテナンスをちゃんとすれば100年以上使える。

私より長生きします。 


石井▶︎なるほど、天然石はなんとも言えない魅力があります。

それを天然資源を使って生まれたジュエリー。

自分より長生きできる。手にした方の思いや足跡がそこに宿るかも。 

お買い上げいただいた後のメンテナンスも大丈夫ですね。 

今40代前半でいらして、アトリエも14年目ですか?

また新たな展開に向ける時期でしょうか。

絵も描かれたり、個展もアートとのコラボにされたりジュエリーだけでない活動もされていますね。


津田🍀仕事としては、今はジュエリー中心にしております。

コラボレーションみたいな形でジュエリーをベースにそのデザインを別のアイテムに落とし込んでというのはありますが。 

私、ジュエリーしかできないので(笑)ビジネスビジョンというよりも、一つ一つ作って行きたい。 

ガウディのような人生がいいかなと。

一点一点がルーティンではないので、それが今すごく楽しいですしやりがいを感じています。 


石井▶︎確かに一つのジュエリーを生み出すだけでもドラマがありますし、

まさしく育てているような感覚がありますね。 

津田🍀お客様とジュエリーとの一期一会の関係を続けて行けたらいいなと思っています。 

一人で始めてから、たくさんのことを周りに教えていただいいて、今すごく宝飾品を扱えている幸せを感じています。 


石井▶︎では、津田さんのホームページとか見ていただいて、

コレクションやオーダーなど気になったらメールでお問い合わせしていただくといいですか? 

津田🍀はい。作って納品させていただいてからがお客様との関係の始まりと思っています。

不具合など万一あった場合はとことん付きあわせていただいています。 

コレクションからカスタマイズさせていただくこともありますし、

フルオーダーに慣れていらっしゃる方から、ジュエリーは初めてという方もいらっしゃいますので、

イメージができるようお客様が納得していただけるようじっくりお話させていただいています。 


石井▶︎これまで手がけられたオーダージュリー数はどのくらいですか? 

津田🍀えーと何点でしょう。。。。100点は超えていると思います。 

石井▶︎そんなに? オーダーもメンテナンスもできるというのは、

なかなか無いことですね。 お洋服も靴も、昔はアトリエでオーダーして作るのが当たり前でした。

既製服になりジュエリーもそれに近いものがほとんどですが。 

全て一点もののジュエリーが手にできるなんて、王侯貴族の気分です。 

そして、100年以上使えるジュエリーで心強いし、手にしたいですね。 


皆さんもぜひ、津田さんのホームページをチェックし、個展などご覧いただきジュエリーに触れていただきたいです。 

 今日は長時間ありがとうございました!

(津田さんホームページの右上にメールのマークがあります。そこをクリックしていただければお問い合わせのページになります。または→こちらをクリックくださいませ。)


長い長い記事にて、最後まで読んでいただきありがとうございます。

中身の濃い内容だったので、削りたくなくてお聞きしたお話は全てご紹介しました。

皆様のジュエリーの世界を少しでも広げられればと思っております。