日本茶と薬草茶
https://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/200711/tea.htm 【日本茶と薬草茶】より
最近のスーパーやコンビニエンスストアでは、ペットボトルに入った様々な「お茶」をよく見かけます。緑茶だけではなく、ハトムギ茶、 杜仲茶、色々なお茶をブレンドした健康茶、若い人にも、ジュースよりお茶を飲む人が増えているように思われます。
「おいしい、安全、からだに良い」とくれば、同じ飲むなら健康茶という志向の人が増えているのでしょう。古くから中国では薬として考えられていたお茶ですが、日本でもお茶には様々な効能があると親しまれています。お茶への関心が広がり見直されてきているようです。
●日本茶に含まれる成分と効能
煎茶などの緑茶に含まれる成分にはカフェイン、タンニン、テアニンの他にビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、B2、ビタミンEなどの体にとって良い成分が含まれています。
カフェインは脳の働きを活発にする作用があり、中枢神経の刺激作用もあるので、疲労回復の効果も期待できます。カテキン類は、抗菌、抗ウイルス作用があるため、緑茶でうがいをして風邪予防をしている人もいるくらいです。また、ビタミン類を多く含むことから、老化防止や制がん作用、美肌効果も望めます。
●薬草茶作用
和のハーブとして一般に市販されているものには、様々な効用があり、家庭で健康茶として引用される方が増えています。飲用するにあたっては、まず自分の体にあったものを選ぶことが大切です。持病がある人や、大きな病気をしたことがある人、現在通院中の人などは薬剤師や医師に相談してから飲用するのが安全です。
<日本茶の歴史>
奈良~平安時代の頃、空海や行基らが中国に留学した際、持ち帰った事から始まったと考えられています。奈良時代748年頃、名僧行基が中国から持ち帰った茶樹を日本に植えました。平安時代806年には空海が中国からお茶の種と石臼を持ち帰り紹介したとされています。室町時代には、武士の間で茶会が頻繁に行われていたようです。その後、室町幕府8代将軍の足利義政により慈照寺(銀閣寺)が建てられて、初めて茶室が作られたのです。市民階級にも徐々に茶が広まってきたのは安土桃山時代頃になります。織田信長や豊臣秀吉らにもお茶は愛され、武野紹鴎(たけのじょうおう)に学んだ千利休とともに大茶会を開くなどして発展していきます。
また、千利休は2畳ほどの狭い空間で茶をたしなむ「侘(わ)び茶」を完成させたとして有名ですね。江戸時代になると煎茶や、玉露の登場で庶民にもお茶が親しまれ、日常的に飲まれるようになりました。
薬草茶の種類と特徴
ドクダミ 10種類の薬効があるということから 「十薬」と呼ばれ、日本薬局方にも収載される薬草です。すぐれた解毒作用や緩下作用があり、便秘の改善に効果がみられ利尿作用もあるので、むくみを改善し体内の水分調整によいとされています。血圧降下作用もあるので、高血圧気味の人に有効です。
ハトムギ 中国では長寿の薬として使われてきました。栄養バランスが優れているため体の生理機能を活性化し老廃物を体の外に出す働きがあります。ビタミンB1、B2、アミノ酸を豊富に含むので、美肌効果でも名高いお茶です。
杜仲茶 樹皮を乾燥させたものを杜仲といい、肝臓や腎臓の気の強壮薬として使用されます。杜仲葉(とちゅうよう)は、その葉を乾燥させたもので、血圧を下げ、コレステロールの吸収を抑える働きがあることから、肥満の予防につながります。くせが少なく、ほんのり甘味があるので飲みやすいことから人気の茶葉です。
カキの葉 「カキが赤くなると医者が青くなる」といわれるくらい薬効があるといわれています。薬効は果実にもありますが、特に葉に効用が多くあるといわれます。血圧を下げる作用があります。血液の循環をよくする働きがあるので、冷え症の改善にも効果があります。
カキの葉は入浴の際、バスタブに入れると血行促進になります。
クマザサ すぐれた殺菌、防腐作用があるので口内炎や口臭などを防ぎます。このお茶を使ってうがいをすることにより歯周病や口臭などの予防になります。
ウコン茶 日本では沖縄が産地として有名です。主な成分は、クルクミンで肝臓を強くする効果があり、お酒を飲む人には是非おすすめしたいお茶です。
アシタバ アシタバは今日摘んでも明日には生えるといわれるほど生命力が強いことで知られています。成分は有機ゲルマニウム・ビタミンB12、クロロフィル、ミネラルが多く含まれ、がん予防や血液浄化作用があります。古くから不老長寿の妙薬として重宝されています。
ゲンノショウコ 古くから下痢止めとして使われてきました。すぐれた整腸作用があり下痢だけでなく便秘の改善にも良いでしょう。抗炎作用もあるのでのどの痛みや口内炎などの症状を軽減するのに役立ちます。胃腸が弱い人は常用を避けた方が良いでしょう。
イチョウ 欧米ではイチョウの葉エキスが認知症や脳梗塞などの予防に効くと医薬品として認められています。イチョウの葉には、カテキンやケルセチンなどのフラボノイドとギンコライドという成分が含まれており脳の血流をよくする働きがあるので脳障害の予防になるとされているのです。高血圧予防や改善などにも効果があるとされています。