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M-Cross International Corporation Column

アメリカ進出において効率の良い販路開拓方法

2017.03.20 08:41

 アメリカ進出においてアメリカ小売企業と契約を取るための効率の良い方法

 アメリカ進出するときに、アメリカ小売企業と契約を結ぶまでには長い道のりになります。

 特に全国展開している小売企業に直接営業しても、バイヤーはメジャーメーカーの対応に追われ、新規企業は相手にしてもらえません。

 そこで、効率良く契約に結び付けるには展示会出展となりますが、この展示会においても大手小売企業と契約を結ぶためには最短で3年かかります。

 1年目に新規出展企業を担当するジュニアバイヤーが情報を入手して、2年目にその中からシニアバイヤーが情報を入手します。それでも契約にはならず、3年目にどの店舗にどれだけ購入するのかを決定するマーチャンダイザーが判断して契約となります。

 ただ出展するだけでは、この最短の流れに乗りません。

 アメリカで出展するにもコツがあります。


■デジタルツールの必要性

 アメリカは国土が広く、アメリカの小売企業のバイヤーはデジタルツールの情報のみで判断します。

 製品を触って確認する時は、契約寸前の最終段階です。

 理由は国土が広く、日本のように対面で商品を紹介しながら打合せを繰り返し契約していたのでは非効率だからです。

 アメリカで一位の都市圏ニューヨークと、二位の都市圏ロサンゼルスとの都市間距離は4,489kmになり、東京と大阪の都市間距離401kmの10倍以上あります。

 陸送で商品を郵送すると3~5日かかります。

 航空貨物ですと1~3日で到着しますが、費用がかかってしまいます。

 このような広大な国土のアメリカで、全国に展開する企業内の各部門に商品情報を展開するには、デジタルツールとなります。

 商品形状や写真、価格を掲載した書式のツールや、更に詳しい情報を得るにはホームページでの確認など、営業を開始するまでに様々なデジタルツールを準備しなければなりません。

 紙媒体での商品情報の郵送は基本的に受け付けてくれません。

 物に触れる機会が無いため、費用をかけて商品写真の撮りかたにも工夫をしなければなりません。

 このように、営業を開始するまでにアメリカの商習慣に合わせた準備が最低限必要になります。


■商品生産量の把握

 全米を展開している小売店に商品を納めるということは、店舗数が多いことから納入数量が多くなります。

 自社の生産体制を把握して、営業をかけなければなりません。


 例えば全米に展開しているホームセンター大手の「ホーム・デポ」に納入する場合、全米に1977店舗あります。

 1店舗あたり、1か月で10個売れる商品であった場合、毎月2万個近く納入する必要があります。

 色が4色あれば、×4で8万個近く毎月納めなければなりません。

 納品価格が1個あたり1,000円とすると、毎月8、000万円の売り上げで、年間9億6千万円規模の売上になります。

 

 百貨店チェーン大手の「メイシーズ」でも870店舗

 雑貨小売大手の「ベッドバス&ビヨンド」は995店舗

 となり、日本の総合スーパーのイオン625店舗を考えると、専門店でも店舗数が多いと言えます。

 

 また、アメリカでは小規模な小売企業は店舗数が格段に少なくなります。

 これは、州をまたいで商売をするときに州法が異なり、1店舗をカリフォルニア州、もう一店舗をニューヨークと展開したときに、一から企業を構築する手間がかかり割があいません。

 そのため、アメリカの小売りは大規模のナショナル企業か、数店舗のローカル企業となります。

 アメリカ進出して、数店舗クラスをターゲットにしていては、進出時の投資分をペイすることすらできません。


■展示会の役割

 アメリカでは様々な展示会が開催されております。

(アメリカ展示会の情報は、リンクを貼っているMCICアメリカ展示会情報ブログを参照してください。)

 大規模な展示会ですと、10万人以上来場します。

 この規模になると、宿泊施設を都市で備えているラスベガス開催が多くなります。


 全国からバイヤーが来場し、直に商品に触れ、メーカーと対面コンタクトを取れ、商品情報を多く入手できる展示会という役割は、アメリカ商習慣において契約を結ぶための重要な位置づけです。

 

 ただ出展するだけでは、バイヤーの目に留まりません。

 アメリカ人の違和感を無くすことも重要で、ブースデザインをアメリカ人にしてもらい、ブースにアメリカ人を立たせるなど、工夫が必要です。

 

 また、出展する前の準備も必要で、出展することをバイヤーに伝えておくと、立ち寄った時に商品の良さを伝える事もでき、最短3年を短縮することも可能です。

 

 更に、展示会主催者はメディア関係者を呼び込むため、登録料無料でメディアルームを使えるようにしてます。

 大手企業はメディアルームで商品情報を入れ込んだUSBなどを配る手法で、全米発信をする企業もあります。

 メディアルームは昼食も無料で、アメリカ展示会は情報発信者に対して、優遇して呼び込みをかけてます。


■展示会以降の対応

 展示会以降の営業に関しても、やはりアメリカ人に任せる事が重要です。

 アメリカ人同士であれば、メールも含め違和感なくスムーズに進みます。

 ただ出展するだけでは、契約に結びつきません。アフターフォローの営業展開も視野に入れてアメリカ進出計画を立てる必要があります。

 1回の出展だけで契約には結び付きません。アメリカでは小規模メーカーが数多く消え、数多く起業されてます。

 そのため、数回展示会に出展し続ける企業体力も見られます。


 また、日本出荷(FOB JAPAN)では、バイヤーに敬遠されます。

 これは、商品情報を日本から入手しなければならないとイメージされます。

 バイヤーにとって手間がかかるイメージで、面倒くさがりやのアメリカ人にとっては敬遠されがちです。

 日本の工場出荷ではなく、アメリカに拠点をつくり、アメリカ出荷のイメージが必要になります。


 このような準備を様々行う事で、バイヤーに効率良く営業できます。


 アメリカ進出において、アメリカの情報を入手して、商習慣を知り、それに合わせることが契約取得において重要になります。