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Kaseo [bEnt or diE?]

Kaseo「Kaseology」解説

2017.03.20 10:07

1. Happy Music Hour 

ロボットボイスは、サーキットベンディングした学研の「おしゃべりKEYBO」によるもの。チープなPCM臭の漂うゆる~いリズム音源は、CASIO DY-10の内蔵パターンをそのまま使用。YAMAHA CMX100にて録音。 


2. Underground Beat 

サーキットベンディングしたCASIO DY-10のグリッチノイズ+内蔵リズム音源。録音はYAMAHA CMX100。ちなみにグリッチノイズは無編集の一発録り。先にノイズを録音してからリズム音源を重ねていったのだが、偶然にもリズムとノイズが同期しているかのように聴こえる部分がいくつも出来上がり、まさに神が作り上げた奇跡の一曲。 


3. Bergkette 

サーキットベンディングしたCASIO DY-10のグリッチノイズを、任天堂ファミリーベーシック用のデータレコーダーでカセットテープに録音し再生したものを、さらにYAMAHA CMX100にダビングして荒れた質感に仕上げた。初期クラフトワークのような牧歌的なサウンドになったため、曲のタイトルをドイツ語に。意味は「山脈」。 


4. Foghorn 

サーキットベンディングしたCASIO SK-1のグリッチノイズを、YAMAHA CMX100に一発録り。仕上げにRoland SP-808の内蔵エフェクターのリングモジュレーターをかけた。 


5. Deep Dope 

サーキットベンディングしたYAMAHA DD-5によるハーシュノイズ。今回のアルバムのレコーディング初期に試し録りした音源。本採用するつもりはなかったのだが、不思議と何度も聴いてしまう中毒性を持っているため、ゲインを上げてさらに凶暴なミックスにして収録した。 


6. SPKnSPL 

テクノにおけるTR-808の存在と同じく、サーキットベンダー達の“共通言語”とも言える、改造Speak&Spellによるグリッチノイズ。敬愛するジョー・ミーク氏を真似て、深いリバーブをかけて録ったものにさらにリバーブをかけて仕上げた。 


7. Chemical Flowers 

サーキットベンディングしたCASIO DY-10によるグリッチノイズの2テイクをLRに振り分け。録音はYAMAHA CMX100。ミックスダウンの際に、テープ速度を9.5cm/sから4.75cm/sに落として金属っぽい荒れた質感を出してみた。


8.Prepared Record 

レコーディングの途中で、ちょっとしたお遊び気分でやってみたプリペアド・レコード。本来は無作為に選んだ3枚のレコードを、それぞれ120°に三分割したものをくっつけ合わせて1枚のレコードとして再生し、そこから偶然に奏でられる音楽を楽しむというものなのだが、ここでは“針飛びすると面白そう”な1枚のレコードをあらかじめ選んでおき、それを120°に三分割してピースを入れ替え、時間軸が前後する1枚のレコードとして作り替えた。前半はスーパーカーの走行音などが収録されたLPから、後半は浪曲のLPからによるカットアップ。BPM=100に合わせてエンジン音が唸り三味線が鳴く。