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こころ館はぬかどこ。

こころ館代表が語る「大人の生き方で示す、次世代育成のカタチ」【保存版】

2017.03.20 16:27

今日は代表の大学院卒業式でした。無事学位が出た記念に、最近やってた代表インタビューを公開!こころ館って何してるの?の疑問にお答えします。


一般社団法人こころ館代表理事/「わたし研究所」所長 松原明美にきく。

大人の生き方で示す、次世代育成のカタチ


ーそもそもこころ館とは何者なんでしょう。

 私たちこころ館は、心と離れないライフスタイルを提案する京都の一般社団法人です。2013年に発足してから、学校現場での出前授業や講演・講座など、これまで4,000名を超える方々にワークショップをお届けしてきました。究極は「わたしに生まれてきてよかった」と思えるぐらい人生を生き切る人、自分を実感して生きる人を世の中にふやすことを目指しています。


ーどういった経緯で始まったんですか?

 もともとは個人的に、教育現場で活動していたんです。 2007年からスクールセラピストとして小学校に勤務し、先生や保護者と協同しながら子どもたちの課題解決に取り組んできました。子どもたちが「自分のことがわからない」「気持ちなんて見ない」と言うのを聞いて、自分の内面と向き合う時間を学校の授業のなかに取り入れるようになります。オリジナルの絵本を使って心の動きを感じてもらう、という活動を個人名義で行ってきましたが、その輪を広げるために立ち上げたのが2013年にスタートした「こころ館」です。ママや学生など共感してくれる仲間が集まって、いまの体制になりました。


ー「心」や「内面」という部分に注目するようになったきっかけとは?

 30代の頃、何をしても上手くいかないハードな時期があったんです。だんだん孤立し、自分の殻にこもるようになりました。その時初めて、自分の内面というものと対峙することになります。

 心に思い浮かんだことをひとつひとつ見ていった結果、わかったのは、自分が思う理想の「わたし」と実際の現実とのギャップがあまりにも大きかったことでした。自分のことを、全然わかってなかったんです。それに気づいてから、世界を見る目がガラリと変わりました。「自分が大切にされることばかり望んでいたけれど、果たして目の前のこの人を大切にできているんだろうか?」とか。この経験から、自分の内面に意識を向けて、心と共に生きることの大切さを学びました。


ーはじまりはご自身の体験だったんですね。そんなこころ館も今年リニューアルを迎えたそうですが、どんな風に生まれ変わったんでしょうか。

 「わたしを研究する」を新しいテーマに、まずは大人、特にママを対象にした企画を練っているところです。ここで言う「研究」とは自分の可能性を広げる生き方について探究すること。自分の内面から浮かびあがる、本当に心が惹かれるものを「研究テーマ」に選ぶんです。研究成果は発表して、専門家からコメントを頂きます。


ー「研究」という新たなキーワードが。  

 昨年までの2年間、大学院で学び直したことが大きな転機になりました。自分の研究を発表して先生方に評価してもらった時、今まで味わったことのない自信が生まれたというか。研究なんて自分の人生には関係ないものだと思っていましたが、もっと深めたいという欲求が出てきました。

 これってお母さんたちや、これまで学ぶ機会のなかった人にも、新たな自分の人生を進むきっかけになると思ったんです。「わたしの研究」を通して大人が楽しそうにいきいきすることで、子どもたちにもわくわくが伝わったらいいなと思います。


ー最終的には”子ども”に行き着くんですね。

 次世代育成が、こころ館としてやりたいことのひとつなんです。団体ができた当初は、小中高生を対象に、子どもに直接内面と向きあう時間を届ける、というスタイルが中心でした。後からだんだん大学生・母親・社会人と、大人を対象にした企画が増えてきたんです。


ーやりたいことは次世代育成だけど、対象が子どもから大人にシフトしたと。なぜ大人が気になるようになったんでしょう?

 日本の子どもたちは夢がないとか、自主性がないとかよく言われますよね。子どもにばっかり要求するけど、じゃあ私たち大人はなんなん?と。大人の私らこそできていないことがあるのに、”自分のことはさておき”と責任回避しているようで気持ちが悪かったんです。次世代は未来ですよね。今の世代が解消できていないものを、彼らに押しつけて去っていくのがイヤなんです。

 他方で、まわりの大人が変わることで子どもたちの問題が解決する例もこれまで数えきれないほど見てきました。よくも悪くも、まず私たちなんだ、と。まずは大人からだと気づきました。


ー何でも「わたし」から。

 あれこれ言葉で教えるよりも、生き方で示せばいいんです。かっこいい、というよりは、一生懸命が近いかな。大人の私たちひとりひとりが、自分のあるがままを受け入れて生きる。もがいて、苦しんで、恥をかいたり傷ついたりするのも含めて、あるがまま生きるということだと思っています。大人はそういう部分を隠そうとするけれど、そのかっこ悪い姿も見せることで、子どもたちにも「傷ついていいんだ」「かっこ悪いのもいいんだ」と生きることの幅を示せる。大人の生き方で示すことが私たちの考える次世代育成だ、と腑に落ちました。


ー自分の生き方を磨くことが次世代育成にもつながるってことですね。誰にとっても嬉しいカタチ!今後はどのように展開していくんでしょうか。

 まずは女性、特にママの研究員を増やしたいです。ゆくゆくはこころ館で育った研究員同士で化学反応が起きたり、起業する人が現れたり、面白いことが加速しそうな予感。他のグループや企業さんともコラボレーションしたいですね。ママから始まった「わたしの研究」が、パパや先生・学校・会社などいろんなところに広がったら嬉しいです。そうやって大人が楽しむ姿を見せることで、次世代を盛り上げていきたいですね。


松原明美 

一般社団法人こころ館代表理事、「わたし研究所」所長。2007年より京都教育大学附属京都小中学校に所属。2013年一般社団法人こころ館を設立。2015年から同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション研究コースに在籍し、体験をもとに考案した「アンカーリングメソッド」を用いた実践的研究を行う。2017年4月より博士課程に進学予定。

▲息子も祝福。おめでとうございました!