カテキン類に新型コロナ不活化効果
https://news.yahoo.co.jp/articles/4443e80a15a00a18bb7c64aceee4934d5f62b032 【お茶に含まれるカテキン類に新型コロナ不活化効果 京都府立医科大学と伊藤園が共同研究 試験管内の実験で確認】より
試験管内でヒト唾液中に加えたウイルスに対しても、茶カテキン類による迅速かつ効果的な不活化がみとめられたことも明らかにした
京都府立医科大学は15日、お茶に含まれるカテキン類が新型コロナウイルスを不活化することを見出し、伊藤園中央研究所との共同研究の結果、茶カテキン類がウイルスのスパイクたんぱくに結合し細胞への感染能力を低下させる効果などを確認したと発表した。
試験管内でヒト唾液中に加えたウイルスに対しても、茶カテキン類による迅速かつ効果的な不活化がみとめられたことも明らかにした。
これらの結果を報告した 2 報の論文が6 月 8 日と11 日にそれぞれ、「Pathogens」と「Molecules」に掲載された。
発表によると、茶類を経口摂取しても血液中への移行は少なく、特に重合したカテキン類はほとんど吸収されないことから、お茶を飲んでも消化管から吸収されたカテキン類が全身的に作用する効果は期待しにくいとした。
一方、お茶を口中に含んだ時には、口腔内で唾液中のウイルスが茶カテキン類によって不活化される効果は期待できるとした。
これにより「多くの人がお茶を飲めば、唾液中のウイルスが不活化されることによって飛沫感染が減少し、人集団全体としてはウイルスの感染拡大を減弱させられる可能性は考えられる」(京都府立医科大学)とコメント。
たとえば飲食店などでマスクを外したら会話する前にまずお茶を含み飲みする(10 秒間程度口腔内全体にお茶を行き渡らせてから飲む)といった行動を多くの人がとれば、症状のない感染者から周りの人への感染が減らせうるという。
他人のためにお茶を飲むという公衆衛生的な使い方に有効な可能性があるが「現状ではあくまで可能性であり、患者さんにご協力をいただいてヒトでの試験を行わなければ、 試験管内の実験だけでははっきりしたことは言えない。現在、感染者がお茶を飲むと口腔内でお茶がウイルスにどのように影響するかについて検証する臨床研究を行っている」という。
なお、今回の論文で使用した新型コロナウイルスは変異型ではないウイルスでありイギリス型やブラジル型の変異ウイルスにおける効果を検証したものではないとした。
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2021/20210615.html 【【論文掲載】茶カテキン類による新型コロナウイルス不活化効果を試験管内の実験で確認(京都府立医科大学と伊藤園の共同研究)】より
研究概要
京都府立医科大学(学長:竹中 洋 所在地:京都府上京区)大学院医学研究科 免疫学 松田修教授らの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2 以下 ウイルス)感染症の拡大が続く中、感染者の唾液中のウイルスを不活化できれば飛沫を通じた感染の抑制に効果的であろうと考え、食品成分によるウイルス抑制の研究・試験を開始しました。その結果、お茶に含まれるカテキン類(※1)(以下 茶カテキン類)がウイルスを不活化する(感染能力を失わせる)ことを見出し、その後株式会社伊藤園(社長:本庄大介本社:東京都渋谷区)中央研究所との共同研究を開始しました。
その結果、茶カテキン類がウイルスのスパイクたんぱくに結合し、細胞への感染能力を低下させる効果などを確認しました。また、試験管内でヒト唾液中に加えたウイルスに対しても、茶カテキン類による迅速かつ効果的な不活化がみとめられました。これらの結果を報告した2報の論文が、この度6月8日(火)および11日(金)にそれぞれ、「Pathogens」と「Molecules」(※2)に掲載されましたのでお知らせします。
茶カテキン類は、茶類に高濃度に含まれます。しかし茶類を経口摂取しても血液中への移行は少なく、特に重合したカテキン類はほとんど吸収されません。そこでお茶を飲んでも、消化管から吸収されたカテキン類が全身的に作用する効果は期待しにくいと考えられます。一方で、お茶を口中に含んだ時に、口腔内で唾液中のウイルスが茶カテキン類によって不活化される効果は期待できると考えられます。それゆえ、多くの人がお茶を飲めば、唾液中のウイルスが不活化されることによって飛沫感染が減少し、人集団全体としてはウイルスの感染拡大を減弱させられる可能性は考えられます。たとえば飲食店などで、マスクを外したら会話する前にまずお茶を含み飲みする(10秒間程度口腔内全体にお茶を行き渡らせてから飲む)、といった行動を多くの人がとれば、症状のない感染者から周りの人への感染が減らせるかもしれません。つまり、お互いに他人のためにお茶を飲むという、「公衆衛生的な」使い方は有効な可能性があります。
現状ではあくまで可能性であり、患者さんにご協力をいただいてヒトでの試験を行わなければ、試験管内の実験だけでははっきりしたことは言えません。現在、感染者がお茶を飲むと口腔内でお茶がウイルスにどのように影響するかについて検証する臨床研究を行っています。今後引き続き研究に取り組んでいく予定です。
なお、今回の論文で使用した新型コロナウイルスは変異型ではないウイルスであり、B.1.1.7型(イギリス型)やP1型(ブラジル型)変異ウイルスにおける効果を検証したものではありません。EGCGはブラジル型には効果があるがイギリス型の一部には効果が低いという結果を得ていますが、これらについては現在研究を進めており、論文発表に向けて準備を進めています。
(※1)お茶に含まれる茶カテキン類
「エピガロカテキンガレート(EGCG)」「テアフラビン3、3'-O-ジガレート(TFDG)」などのほか、カテキン誘導体の「テアシネンシンA(TSA)」などのこと。
論文情報
論文1 論文名:(日本語タイトル)Significant Inactivation of SARS-CoV-2 In Vitro by a Green Tea Catechin, a Catechin-Derivative, and Black Tea Galloylated Theaflavins(緑茶カテキン、カテキン誘導体、および紅茶ガレート型テアフラビンによる新型コロナウイルスの試験管内での有意な不活化)
掲載雑誌:Molecules
掲載日時:6月11日(金)
オンライン閲覧:可 URL:https://www.mdpi.com/1420-3049/26/12/3572/htm
著者:扇谷えり子、新屋政春、一谷正己、小林 誠、瀧原孝宣、河本昌也、衣笠 仁、松田 修
論文2 論文名:(日本語タイトル)Rapid Inactivation In Vitro of SARS-CoV-2 in Saliva by Black Tea and Green Tea(紅茶と緑茶による唾液中の新型コロナウイルスの試験管内での迅速な不活化)
掲載雑誌:Pathogens
掲載日時:6月8日(火)
オンライン閲覧:可 URL: https://www.mdpi.com/2076-0817/10/6/721
著者:扇谷えり子、新屋政春、一谷正己、小林 誠、瀧原孝宣、河本昌也、衣笠 仁、松田 修
(※2)「Pathogens」スイスのMDPI社から出版されている、病原微生物に関する査読付き科学ジャーナル。
「Molecules」同じくMDPI社から出版されている、分子に関する査読付き科学ジャーナル。
https://www.atpress.ne.jp/news/242753 【新型コロナウイルスを99%不活化! 茶カテキン由来の新成分カテプロテクトの コロナウイルスに対する効果を確認】より
株式会社プロテクティア(本社:大阪府茨木市、代表取締役:田中 伸幸、以下 プロテクティア)は、茶カテキン由来の抗ウイルス成分“CateProtect(カテプロテクト)”によるコロナウイルスへの効果を明らかにしました。CateProtect(カテプロテクト)は新型コロナウイルス COVID19やヒトβコロナウイルスに対して99%を超える抗ウイルス活性を示しました。今後カテプロテクトを用いたコロナウイルスへの各種対策製品を展開していきます。
■背景
日本茶に多く含まれる茶カテキンは抗ウイルス・抗菌・消臭・抗酸化など様々な生理活性を示す有用物質として広く知られております。前大阪大学産業科学研究所特任准教授の開發博士はこの茶カテキンに注目し、親油成分を結合させることで抗ウイルス・抗菌効果を飛躍的に向上させた新型茶カテキン“カテプロテクト”技術の開発に成功しました。カテプロテクトはインフルエンザウイルスやノロ類縁ウイルス(ネコカリシウイルス)に対しては天然茶カテキンよりも10倍以上高い効果を示し、30種を超える細菌・真菌類に対する増殖抑制効果も明らかにしてまいりました。
今日のコロナウイルスの蔓延に対して安全に強く抑制できる技術の開発要望を受け、カテプロテクト技術の新型を含むコロナウイルスに対する抗ウイルス効果を評価いたしました。
■コロナウイルスへの効果の検証
【新型コロナウイルス COVID19不活化試験】
・試験内容
新型コロナウイルスに対するカテプロテクト可溶化液のウイルス不活化効果を評価する。
・使用ウイルス株
SARS-CoV-2 JPN/TY/WK-52 E6
・使用細胞株
VeroE6 細胞
・試験方法
(1) 試験品0.45mLにウイルス液0.05mLを混合し、15分作用させた。
(2) 混合液をダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で10倍段階希釈を作成した。
(3) (2)の液0.05mLを4%FCS含有DMEM0.05mLと混合し、事前に播種した宿主細胞プレートに感染させ、生じたCPEを元にウイルス感染力価TCID50値を測定した。
図1:COVID19に対するカテプロテクトの効果
【ヒトβコロナウイルス OC43株不活化試験】
・試験内容
ヒトβコロナウイルスOC43株に対するカテプロテクト液のウイルス不活化効果を評価する。
・使用ウイルス株
Human β-coronavirus OC43
・使用細胞株
HCT-8 細胞
・試験方法
(1) 試験品0.45mLにウイルス液0.05mLを混合し、15分作用させた。
(2) 混合液を2%FCS含有ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で10倍段階希釈を作成した。
(3) (2)の液0.1mLを事前に播種した宿主細胞プレートに感染させ、ペルオキシダーゼ免疫染色法によってウイルスの感染を確認し、コロナウイルス感染力価 TCID50値を測定した。
図2:ヒトβコロナウイルスOC43に対するカテプロテクトの効果
【本プレスリリースのまとめ】
カテプロテクトは新型コロナウイルスを含む複数株のヒトコロナウイルスに対して99%以上の抗ウイルス活性を示した。複数株のヒトコロナウイルスへも効果を示しているため、異なる変異株に対しても効果が期待される。
※なお、本実証は、試験室での評価であり、カテプロテクトを使った製品や実使用環境での効果を示すものではありません。また、カテプロテクト搭載製品を使用した場合の新型コロナウイルス感染症予防に対する有効性を確認するものではありません。
■株式会社プロテクティアとカテプロテクトに関して
2009年に大流行した新型インフルエンザは、海外から帰国した高校生から急速に感染拡大して社会的な問題となりました。また近年では、韓国を中心に大流行したMERSウイルスや、東アジア・中東の強毒性トリインフルエンザウイルス、アフリカ諸国で猛威を振るったエボラウイルスなど様々なウイルス感染症への対策が社会に重要となっています。このような中、当社取締役の開發博士の研究グループは茶カテキンの抗ウイルス効果に注目しカテキンをベースにした抗ウイルス薬剤の開発を目指して研究を進めてまいりました。開發博士らは、2006-2010年の間、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称NEDO)の産業技術研究助成の支援を受けて、茶カテキンの中でも特に抗ウイルス・抗菌活性の強いエピガロカテキンガレート(EGCG)に長鎖脂肪酸を立体選択的に結合させる技術を開発し、カテキン脂肪酸誘導体の合成に成功しました。このカテキン脂肪酸誘導体は、幅広い種類のウイルスや細菌を効果的に不活化することが明らかになりました。この新規カテキン脂肪酸誘導体を感染防御対策に応用するため、2010年に本研究成果を実用化するためのベンチャー「株式会社プロテクティア」を設立し実用化に向けた研究開発を進め、新規カテキン脂肪酸誘導体を感染対策部材に仕上げる為に重要となる新カテキン技術『CateProtect』の確立に成功しました(図3)
図3:カテプロテクトの特徴
新規カテキン技術であるCateProtectは以下の3つの大きな特徴がございます。
<1.ウイルス・細菌・アレルゲンを幅広くノックアウト!高い効果効能>
天然カテキンに脂肪酸をハイブリッドさせた『CateProtect』は、ウイルスの膜に対して、天然カテキンの約40倍以上優れた作用を示します(ウイルス種によってその効果は異なります)。
また、黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎桿菌など、幅広い細菌に対しても効果を確認しています。また、近年問題視されている薬剤耐性菌に対しても効果を確認しています。
<2.カテキンをベースにした高い安全性>
『CateProtect』は、天然由来成分をベースにした安全性の高さが特長で、原末における経口毒性、変異原性、皮膚刺激性及び皮膚感作性は確認済みです。
<3.新しいカテキンによる新しい作用メカニズム>
優れた活性はカテキンに脂肪酸を結合させることにより、ウイルスのタンパク質だけでなく膜にも作用ができる新しいメカニズムによるものです。基礎技術の開発から効果の実証、メカニズム解析に至るまでアカデミックの最先端研究により開発された確かな技術です。
【カテプロテクトを活用した製品】
現在カテプロテクトはマスク、加湿器添加剤、マスクスプレー、消臭スプレーなど環境消毒の製品群で採用されております。
・図4 興和株式会社 三次元マスク(不織布マスク)