ヤヌスの門 Arco di Giano
サン・ジョルジョ・イン・ヴェラブロ教会に隣接するアルジェンターリ門(両替商のアーチ)の他に、もう一つ大きな凱旋門がある。4世紀のコンスタンティヌス2世が建てたヤヌスの門(Arco di Giano)である。古代ローマの神ヤヌス(Giano)の名が付けられた。 もしくはヤヌス・クアドリフロン(四面のヤヌス Ianus Quadrifrons)とも言われる。中世の頃は、ボエツィオの塔(Torre di Boezio)と呼ばれていた。
★ ローマのジャニコロの丘に棲むヤヌス
ヤヌス(Giano、英:ジェイナス)
後頭部にも顔を持つ古代ローマの神ヤヌス(Arco di Giano)は通行人を監視する神であるため、交通量が多いこの地域に適していたのであろう。キューブ型をしており、アーチが四方4つある珍しい門である。
テヴェレ川の氾濫で土に埋まるまでは、ローマ時代は商人があつまる卸市場で賑わっていた場所であった。
ヤヌスの語源は、 ianus = "門を意味するporta" と Ianuarius = "一月を意味するGennaio"が組み合わされたと考えられており、道、時間、全ての幕開けの神である。
コスタンティヌス帝の凱旋門によく似ているため、357年にコスタンティヌス2世の訪問時に建てた可能性がある。
4面の大きさは、12 m X 16 m。素材はオペラ・ア・サッコ(opera a sacco)と呼ばれる石やレンガを混ぜ合わせて作る方法で表面に大理石が貼られており、内側中心天井はリブボールト (Volta a crociera)である。
4面全てのファサードに、2列の上頭部は半球形の貝のようなニッチ(壁龕)がある。それぞれのニッチに像が置かれていた。
アーチの4つのキーストーンは、ジュノーネ(座っている)、ミネルヴァとセレス(立っている)らローマ神で飾られている。
1827年
1827年は、フランジパーネ家の要塞の塔の土台として使われたボエツィオの塔(Torre di Boezio)が修復されたが、中世の建築物だと思われていたため、上階は取り除かれオリジナルに似せた。古代ローマ末期に、ここで演説をしていた哲学者ボエティウス(Severino Boezio)の名が使われていた。
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