ノインゼ兄さん誕生まで(後編 / 絵の変遷)
ディズニーCDに収録されている、「シンデレラの夢は叶ったの」という、フェアリーゴッドマザーの言葉を聞くたびに「夢って、玉の輿?」って思ってしまう、よごれたオトナに育ってしまった私です。
<前回までのあらすじ>
ロンゲは全くツボらなかったはずなのに、なんやかんやで「ロンゲの25歳のキャラクターを生もう」ということになった。
(全然あらすじになってない)
で、キャラクター制作の試行錯誤が始まります。
まだ、安物の落書き帳の頃です。
が、流石にミッキーの36色は使わなくなりました(笑)
……なんか、ロンゲにした理由を前回いろいろごちゃごちゃ言ってたけど、結局、ことの起こりは、
「オルファと区別したかった」
なんじゃないのか、って気がしてきた(笑)
だが、結った髪ってグッとこなかったんだろう。あんまり可愛くないし、これ。
で、ちょっと短くカットして、
このへんで、ようやく「あ、お兄ちゃん、これ!」ってピンと来たんだったような気がします。
少年時代は、自分の一番のツボ(少年風無造作)でいこうと決めていたらしい(笑)
段々、今の雰囲気に近づいてくる。(しかし足が太い)(兄さんは草食系体格の設定です。)
結構、イメージが固まってくる。
この頃って、へったくそなんですけど(まぁ今もヘタなんですけど……) 私の絵柄、基本的に変わってないですね(笑)
ノインゼは、「あんまり迷わないキャラクター」にするつもりでした。
そして、カッコよくて、強くって、自信があって、周りを導いてくれてー……みたいな、「極端な王子様」にしようと思っていました。
脇役(の予定だった)の子だからこそ、やりたい放題な感じでキャラクターを創ってみたかったんです。
ですが、予定が大幅に狂ってきます。
さて、この後、プライベートが混乱してブランクが出来るのですが、
それが落ち着いてから地元の画塾に通い始め、絵がちょっとまとまってきます。
一気にノインゼになってきた!
前編で言ってた、アシタカやウォルター像がようやく反映されてきた感じ。
「オクラは食べねえっつってんだろ」
…って、絵の下に書いてあった。
(オクラが嫌いなのは、私です。)
上手くトリミングした絵が多いことにお気づきでしょうか。
そう、私、頭部をやたら長く描く癖があった(ある)んです。
画像切ってごまかしてる(笑)
ポエミーだ!(笑)
強くて、迷わないキャラクターはどこへやら。
一番葛藤を抱えたキャラクターに転じ始めます。
私自身のメンタル状況が最も投影されたのが、ノインゼです。
考えてみたら、私が「迷いや葛藤の無い人」をメインに置けるはずが無かったんだ。
この後、再びプライベートが混乱して、描けない期に入る。
絵が退化しとる。
大丈夫じゃなかったです……。(当時のわたしが)
この頃は、笑顔どころか、絵そのものが全く描けませんでした。
この後、上京。
環境が変わり、心が息を吹き返し、
ここから、俺の筆が唸るぜえええええ状態に。
(ちょっと中性的にしすぎた)
うーん、自分の復活っぷりが、見事に彼に表れている(笑)
しかし、それでもまだこの頃の兄さんは、「あんまりおもしろくない」キャラクターのままでした。
「強くて迷わない子」ではなくなったけど、「穏やかで人間が出来た素敵な王子様」に過ぎませんでした。(それに何の不満が?)
そんな中、2014年の初夏、この方が誕生します。
兄さんのキャラクタークラッシャー(笑)
※ ルナール隊長誕生秘話はこちら☆
それまでは、「一番上に立って、下の子たちを率いる・守る」という気を張ってないといけない立ち場だったノインゼ兄さん。
しかし、ルナール隊長の誕生で、いくらか息抜き出来るようになったらしく、彼は年相応の、表情の広がりを見せ始めます。
(これは私も愛用している、オーディオテクニカのエアーダイナミック・ヘッドホン)
うふふ、何を見られたのかしら。
一転、やさぐれとる。
最近描いた中では一番気に入ってる顔。(5分もかかってない)
一番気に入ってる背中。
こっちも気に入ってるかな。
イズーナちゃんはノインゼの背中に毎回、はらはらさせられてるらしい(笑)
初めて「少年漫画」を読んだときに気づいたんですけど、「少女漫画」の男の子って、「友だちがいない」パターンが多くないですか?
いないわけじゃないんだろうけど、描かれないんですよ。ボーイとガールしか描かれないの。
「天使なんかじゃない」の晃も、生徒会以外に友だちおらんの?
真壁くん……は、一匹狼きどってたからしょうがないのか。
私は同性に慕われるって、カッコいいキャラに必須の装備だと思うし、恋愛もの以上に友情ものが好きなので、友だちを描きたいです。
花道に水戸くん、タッちゃんに原田くんとか、最高だわ。
少年時代は、当初の予定通り、オーソドックス少年頭。
ここは譲りません!(笑)
ノインゼの名前は、算数です。
「25歳の兄さん」を創りたかった、というのが出発点なので、
25=19+2×3(19にぃさん)
19はドイツ語でneunzehn(ノインツィン)。
だから彼の名前は「Neunze」と綴ってあるのです。
もし私が大学で取ってた第二外国語がドイツ語じゃなく、フランス語だったら、 19はディズヌフ(dix-neuf)なので、「ディズニー兄さん」になっていたかもしれませんね(笑)
(これ、すごい気に入ってるんだけど・笑)
キャラクター誕生の経緯に某ボーカル藤原さんは関係ない、と書きましたが、
ノインゼを描いてるときは確かによくBUMPを聞いてたので、描いているうちに引っ張られてたところはあるのかもしれない……とは思います。
(が、なぜそれをこの絵の下で言う)
でも、結局、自分ではよく解りません。
長い道のりを経て、ここまで来たね。
でも、優しくてカッコいいお兄ちゃんなのは、今も昔も変わらないよ!