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「宇田川源流」 中国の不動産バブルがはじけるという状況でなぜ日本の経済に衝撃が走るのか

2021.09.29 22:00

「宇田川源流」 中国の不動産バブルがはじけるという状況でなぜ日本の経済に衝撃が走るのか


 中国の恒大集団の債務危機が話題になっている。融資利負債で日本縁にして33兆円、それも中国の不動産開発を行うディベロッパー企業であるにもかかわらず、ドル建ての負債を行ったのである。その負債、特に社債の支払いができずに、とりあえず支払い猶予の手続きを取っているということになる。

 さて、ディベロッパーの収益というのは、基本的には、土地を購入して不動産物件を開発し、そこに人を誘致して、販売または賃貸、(ホテル直営などの場合は観光地利用料の収益などを含むが)の収益を収奪し、そして、その中から投資家に利息つきで支払う。残りが会社の利益となる。もちろん、中には先に会社の利益を計算したのちに、利払いを行うところもあるが、まあ、その辺は会社の計算なので、期限までに投資家(銀行などの機関投資家・金融機関を含む)に対して約束通りに金銭を支払えばそれで終わる話である。

 債務危機が発生しているということは、当然に、会社会計上期限までに債務を払える状況にないということになっており、実際に、先日の利払いの期日に利払いできずその支払いの猶予を行っているということになるのである。

 事前にこのことを察知した投資家たちは恒大集団に投資契約の解約に殺到することになる。いわゆる「取り付け騒ぎ」である。そのような状態であれば、不安が不安をあおり、より悪化するということになるのではないか。

 景気は「気」であるということがよく言われるのであるが、まさに、投資環境というものほど、気分や噂に左右されるものはない。そのために日本の有価証券に関する法律の中に、根拠のないうわさを流して株価を操作することを禁じる「風説の流布」という罪がありますが、まさかそのように噂に左右されるということが、日本の市場でも大きく影響するということになるのである。

 まさにそのような状態に現在なってきているということになる。

恒大の債務危機で、日本のネットユーザーに衝撃走った理由とは?=中国メディア

 中国のポータルサイト・百度に21日、中国の不動産大手・恒大集団が巨額の債務を抱えている問題について、日本のネットユーザーの間で「年金がなくなるかもしれない」との動揺が走ったとする記事が掲載された。

 記事は、恒大集団が約33兆円の負債を抱えているというニュースが国内外で大きく報じられ、同集団の株価が大暴落したと紹介。債務不履行の可能性も伝えられる中で、同社の債券を購入した投資家からは償還を求める声が続々と寄せられているとした。

 また、「恒大ショック」は日本のネット上でも取り沙汰されており、特に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産運用の一部として恒大集団の株式と債券を購入していたとの情報に、一部のネットユーザーが驚きを示すとともに「年金がなくなってしまうのではないか」と焦る様子を見せたと伝えた。そして、様々な憶測や「証拠」のデータがネット上で飛び交う状況になっていると紹介した。

 そして「日本の年金制度は本当にそんなに簡単に崩壊してしまうのか」と疑問を示した上で、GPIFが今年3月末現在でおよそ186兆円の資産を運用しているのに対し、GPIFが購入している恒大集団の株式や債券の総額が同時点で96億7000万円だったことを紹介。GPIFはおよそ6000銘柄の株式、およそ1万5000銘柄の債券に投資してリスクコントロールを行っており、恒大に対する投資額は微々たるものだと伝えている。

 記事は、GPIFによる恒大集団への投資が少額であるにもかかわらず日本のネットユーザーに動揺を与えた背景として、GPIFがこの2年ほど、年金積立金の運用で巨額の損失を出したと大きく報じられてきたことがあるようだとの見方を示した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

2021年9月22日 15時12分 サーチナ

https://news.livedoor.com/article/detail/20907884/

 さて、まずは何故このようになったのであろうか。日本やアメリカなどと中国との違いは、単純に「土地の購入ができない」ということである、共産主義の国家においては「土地は共有財産」であり「土地を個人が所有すること」は禁じられているのである。その内容において、リゾート開発をした。つまり、土地そのモモに担保がつけられない状態で、または海外の投資家はその土地そのものの所有ができない状態でありながら、そこに金を出したということになる。単純に言えば「所有の意思に基づく投資」ではなく、単純に「投資によって設けるということだけの投機的な投資」でしかないということを意味しているのである。そのようなことでは亜話になるものではない。しかし、「投機的」ということは、その利率などで投資家を釣るということになるから、多くの人が恒大集団に金を預けたということになる。

 日本でも「儲け話」といって、このような内容の投資話が出てきているし、以前BRICsといわれる経済成長著しいブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国の新興5か国への投資を日本でもあおっていたことが記憶に新しい。ウィキペディアによれば「東部と中部、東部と西部での GNP の差は1990年時点ではそれぞれ898元と1,079元であったのに対し、1995年には3,539元と4,203元に、2000年には5,352元と6,674元にまで拡大した。西部地域のGDPは東部地域のGDPのわずか40%の水準となっており、とりわけ貴州省と上海市との差は12倍を超えている。今後は西部大開発や東北新興などの対策に格差改善の期待が寄せられている。」(https://ja.wikipedia.org/wiki/BRICs#%E4%B8%AD%E5%9B%BD)とあり、当時中国中西部の開発に日本の投資をあおったことが明らかであろう。だいたい2003年くらいから2010年くらい、ちょうど民主党政権ができるかどうかのころである。

 そのころ、多くの人は「中国は資本主義と同じ」という論理がまかり通り「社会主義的市場経済でしかなく政治が支配しているからリスクが大きい」ということを主張すると、かなり攻撃された覚えがある。まさに、そのような「投資をあおる投機的投資家とその集団」が今回の事件を肥大化させたということが言えるのではないか。

 さて、このようなことになったのは、当然に、「投資家の自己責任」でしかなく中国共産党は危険であるという警告を無視した結果である。政治的な内容で、統一の客観的な基準もなくそのまま「資本家=ブルジョワジー」として攻撃し、そして、経営者を交代して共産党幹部がその会社を乗っ取る方法が現在も横行している。そのような政治的なリスクを経済の人々はみようとしないのであるが、政治と経済がリンクしているということが全く見えていない人が少なくないのである。

 担保もない、共産主義国家の社債を購入し続けるとこうなるということなのである。そのようなことで大丈夫なのか。アメリカも日本も投資家は、もう少し政治を学んだ方がよいのではないか。

 今回は、あまり書きたいところまで書けなかったが、まあ、これからもこの問題は書く必要があると思うので、そちらに譲ろう。