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河北新報社 記者と駆けるインターン

海の町をもう一度 弘前大3年 工藤俊

2016.09.12 01:00

更地と防潮堤が続く道、一軒の小さな建物が目に飛び込んでくる。宮城県七ヶ浜町。古くからのリゾート地として有名な菖蒲田浜海水浴場の、入口そばに店は立つ。「ART CAFE  BAR SEA SAW(シーソー)」それが店の名だ。木の香りが心地よいログハウスの店内では、流木や貝殻の装飾が溢れ、海を感じさせてくれる。店の内外ではレゲエ調の音楽が訪れた人をワクワクさせる。「この店を七ヶ浜の復興ののろしにしたい」とオーナーの久保田靖朗さん(33)は語る。



 



店がオープンしたのは201653日。4カ月が経った今も地域住民だけでなく、全国各地から客はやって来る。店一番の人気メニューは110食限定の「ワタリガニのパスタ」だ。七ヶ浜沖の海で獲れた新鮮なカニを丸ごと使った一品は、食べた人を海へといざなう。店を訪れた人は口々に「すごくおいしい」と笑顔で話す。客の喜ぶ声を聞いたとき、店を作って良かったと実感する。



 



東日本大震災で七ヶ浜は津波で多大な被害を受け、自然の恐ろしさを味わった。千葉県出身の久保田さんはボランティアとして126月に町を訪れた。どこからでも海が見える自然の豊かさに引かれ、町を再生させたいと強く感じた。思いを胸に、地域の人と共に歩み始める。「訪れた人が楽しめて、人を繋ぐ場所が必要だ」と地域の人と意見を出し合った。思いが実り、自身の店は誕生する。



 



菖蒲田浜の通りにはまだまだ店が少ない。自分の店が結果を残せば、他の店も続いて出店をしやすくなる。浜に店が増えれば、町を元気にできるという思いがある。そのための「のろし」が自分の店であると意気込む。



 



店は七ヶ浜を再生に向かわせる拠点となる。今後も困難や不安が待ち受けているだろう。それでも久保田さんは「絶対に逃げずに挑戦を続けていたい」と熱く語る。津波で海の恐ろしさを知った町で、海の素晴らしさを感じてもらうため、歩み続けている。訪れた人の楽しむ声が前に進む力になる。



 



 




【コーヒーをいれる久保田さん、こだわりの味を届ける】



 



 



 



 



 



 



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