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河北新報社 記者と駆けるインターン

届け!瓦の魅力 若社長の挑戦  慶應義塾大2年 湯川うらら

2015.09.05 01:00

 



 「瓦」のイメージを覆された。

高級感漂うシックな日本家屋、

黒を基調とした重厚な寺院、

レンガ調の可愛らしい西洋風アパート。



 「全部、瓦屋根なんですよ」。

仙台市青葉区木町の瓦屋根施工「植木」社長、植木徹郎さん(36)は、

自社で施工した屋根を前に誇らしげだ。




【人気色のオレンジ瓦を手に、魅力を語る植木徹郎さん】



 創業143年、老舗の6代目。

愛知県などの産地から瓦を仕入れ、地元の幅広い物件を手掛ける。



 



 「『瓦は時代遅れ』だと思ったら大間違い。時代のニーズを常に追っています」

植木さんは人気色オレンジの瓦を手に、バリエーションの豊かさを誇る。

地中海の街並に映えそうな「ティエラホワイト」、

南欧の情熱的な邸宅を思わせる「アンティックブラウン」、

熱帯林に溶け込みそうな「エターナグリーン」……。

原色でもモノトーンでもないカラーリングが、多様な建物にマッチする。



 



 形も千差万別だ。

滑らかな曲線のS形、直線的な平型…。

住みたい家のイメージ通りに組み合わせられる。

焼き物なので、夏の強い日差しで変形したり、

長い年月風雨にさらされても色あせたりしない。



 



 時代を超えて愛用されて来たとはいえ、

地震などで瓦が落ちるとの不安は根強く、屋根材として敬遠する人は少なくない。

それでも「1400年前の瓦が今も現役の建物があるんです。

メンテナンスを怠らなければ、瓦は何より安全で一生ものの屋根材です」と言い切る。



 



 事実、2011年の東日本大震災で強い揺れを受けても、

「植木」が近年施工した家では、瓦一枚落ちなかった。

過去の震災で根付いた「地震に弱い」という評価を覆すための、

最新の施工法が功を奏したのだ。

耐震性の高い材料や施工法を詳細にまとめたガイドラインを定め、

雪の多い気候に合わせた東北独自の工法も編み出した。

結果、耐震性は飛躍的に高まり、震度7クラスの地震にも耐えられるようになった。



 



 瓦の耐震性は改善されたが、マイナスイメージを払拭するには至っていない。

「一人でも多く、瓦屋根を使ってほしい」との一心で、同業の若手8人と動き出した。

セミナーに赴いたり、建築士の卵が集う工業高校で教壇に立ったり。

まだ手探りだが、瓦の新たなイメージを作り出すべく、若き瓦屋は今日も奮闘する。



 



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