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河北新報社 記者と駆けるインターン

石巻で感じた「あたたかさ」 同志社大学3年 梅村雅

2014.12.03 18:39

新鮮な海の幸。

陽の光で宝石のようにきらめく海。

災禍の痛みを胸に秘め、懸命に前を向く人々…。

石巻の魅力に触れてから、半月余りが過ぎました。



        ◆       ◆      ◆



こんにちは。

同志社大学3年の梅村雅です。

私は生まれも育ちも宮城県仙台市ですが、

東日本大震災以降、石巻へ足を運んだのは今回のインターンが初めてでした。

 



石巻駅付近にある「立町大通り商店街」の破損したアーケードの天井、

牡鹿半島地区に残る民家の基礎部分。

「あの日」の爪痕は、まだ、くっきりと残っていました。

 



 




【立町大通り商店街の様子】



しかしそこでは、普段はなかなか感じられない「人の温かさ」を感じました。



        ◆       ◆      ◆



取材させていただいた鮎川浜の潜水漁師・成田さんは、

寡黙ゆえに、一言一言に核心を突く、ずっしりとした重みがありました。

話し手をまっすぐ見つめる眼差しがとても印象的でした。



震災で傷つき、いまだその傷が癒えていない町の様子を話してくださったときは、

厳しい表情を浮かべていました。

一方で、海のお話や娘さんのお話になると、目尻を下げ口元を緩めました。



水揚げの様子を写真に収めようと、

冷たい浜風に吹かれながら待機していた私たちに、

両手いっぱいの獲れたてアワビを差し入れしてくれました。

目の前で手際よく貝殻を剥ぎ取り、肝を取り除いてくださった成田さん。

「父親」のような温かさを感じました。




【太陽の陽の光できらめく鮎川浜の海】



 




【水揚げしたばかりのアワビを選別する成田さん(手前)】




【成田さんが金華山沖で捕獲した天然アワビ】



 



        ◆       ◆      ◆



偶然立ち寄った蛤浜の「cafe はまぐり堂」のオーナー・亀山さん。

生家の古民家を改装してできたというカフェは、

亀山さんの穏やかな雰囲気にピッタリでした。



震災の津波によって傷を負った故郷の蛤浜を盛り上げようと、

2012年、「蛤浜再生プロジェクト」をスタートさせました。

カフェもその一環です。



 




【津波で甚大な被害を受けた蛤浜】



 




【石段を上がるとお目当てのカフェに着きます】



 



牡鹿の「絹紅葉」という鹿肉を使用した鹿カレーをいただきました。

なめらかな口触りで、やさしい味わいのルーの中に、

ゴロッとしたやわらかい鹿肉が入っています。



 





【「cafe はまぐり堂」の鹿カレーセット 1150円】



 



美味しい食事に舌鼓を打ちながら、亀山さんとの会話を楽しみました。

やさしい口調で、時折笑顔を見せながら浜に対する想いを話してくださった亀山さんですが、

3・11で奥さんを亡くされていました。



それでも、壮絶な悲しみを胸におさめ、

人びとと手を取り、浜を盛り上げようと奮起していました。

「いつか(牡鹿半島地区の)浜同士の連携を強めて、全体を盛り上げていきたい」

と語ってくださった亀山さん。

温かな眼差しに、胸が熱くなりました。



        ◆       ◆      ◆



大学のある京都に戻ってきて、半月余りが経過しました。

紅葉シーズンということもあり、多くの人びとが街を行き交っています。

それでも、なぜか石巻で感じたような人の温かさは乏しい感じがします。



大きな傷を負ったがゆえに、

人の痛みを分かち合え、手を差し伸べられる。

部外者の勝手な解釈かもしれませんが、

そうした優しさを持つ石巻の人びとに、心温まりました。



 



いただいたご縁と温もりを、どうこれからにつなげ、

恩を返していくか─。

距離は遠く離れても、心はいつも石巻の近くにあると思っています。



取材でお世話になった皆さん、

一緒に活動した7人の仲間たち、

重ね重ね、ありがとうございました。



そして、また会いましょう!



 



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