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河北新報社 記者と駆けるインターン

セリを愛する地域のリーダー    宮城学院女子大3年 竹林美歩

2014.03.29 00:00

 



みずみずしく、シャキシャキとした食感。



仙台では「セリ鍋」が一躍ブーム。



今まで食卓の脇役だった仙台セリが、主役として注目を浴びている。



 



「地元の人が、地元の伝統野菜を食べてくれる。うれしいねえ」



仙台セリの生産地として名高い名取市で、下余田芹出荷組合長を務める大内繁徳さん(50)は顔をほころばせた。



 



大内さんは昨年、40の農家を率いる組合長になった。



セリのさらなる普及を目指し、農地拡大やハウス栽培に取り組む。



「寒波でライバルが出せないときでも、僕たちはきちんと出荷して信頼関係を築きたい」と、安定供給に力を尽くす。



 



病気対策や農薬の勉強会にも熱心に取り組む。



特に福島の原発事故以降、月に2回のペースで放射能検査も実施して、組合一丸で風評被害に立ち向かっている。



 



2011年の東日本大震災。



半壊した自宅の片づけも終わらない10日後、大内さんは組合員の生産したセリを集荷して自車で市場に運んだ。



他県からの物流が途絶える中、どうしても供給したかった。



避難所の人たちにも食べてもらった。



 



震災後2年間、年の瀬には名取市の仮設住宅に1世帯あたり2束配った。



「セリは年末年始のハレの日の食材。仮設住宅で苦労している方に少しでも喜んでもらいたかった」と振り返る。



 



 




自慢のセリを優しくみつめる大内さん



 



 



組合の働きかけが、伝統野菜であるセリを再発見するきっかけとなり、新たな地産地消の流れを呼んだ。



料理の脇役が、セリ鍋として一気に主役に躍り出たのはその証。



地元のパン屋と仮設商店街の惣菜屋からも注文が入り、「セリ入パン」「セリ入り春巻き」が誕生した。



市内の復興イベントでも、下余田のセリが使用された。



 



大内さんはセリが一時のブームでなく、継続して愛される食材になることを望んでいる。



「子どものうちから地元の物を食べて、親になったらまた子へ伝えてほしい」



地元の公民館で地産地消の講師を務めたり、小学生へ収穫体験を行ったりと、活動は多岐にわたる。



県外へのPR活動も行い、「仙台セリ」のブランドを全国へ発信している。



 



ブームの先を見据えた地域のリーダーとして、組合長の決意は固い。



「みんなにおいしいセリを食べてもらいたい。そのために、できる仕事を地道にやるだけだ」



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