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河北新報社 記者と駆けるインターン

非行少年に愛を    東北福祉大2年 高橋夏海

2014.04.09 00:00

 



 



「愛してほしい」。



罪を犯し社会に戻れなくなった少年が必死に追い求めているのは「愛」である。



誰かに必要とされることは彼らにとって生きる原動力になる。



彼らの多くは家族からの愛を受けず、「自分はいらない人間」と思い込む。



愛を知らない少年を「愛する」と決意した保護司の大沼えり子さん(57)、弁護士の勝田亮(まこと)さん(45)は現在NPO法人ロージーベルの理事長と副理事長を務める。



 



 




 



 



ロージーベルでは少年院や家庭裁判所から帰る場所がない少年を引き取り、生活する居場所を提供している。



2011年1月に設立されたロージーハウス(少年の家)では万引きや傷害など比較的軽い罪を犯した少年2名が暮らしている。



大沼さんをはじめとする職員は家族のような雰囲気を心がけている。



「大好きだよ」「そのままのあなたでいいの」。



大沼さんは非行少年の心に寄り添い、真剣に向き合っている。



 



東日本大震災後、少年たちを取り巻く環境が変化した。



被災地を訪れたボランティアが家賃を滞納したまま行方を消す事例が増えたことで、住居を借りる際、親族に限った保証人を求められるようになった。



両親がいない非行少年は多い。



社会復帰に必要な家が借りられないのは彼らにとって残酷な現実である。



 



一方、少年は震災によって「必要とされている」と実感する機会が多くなった。



少年が何かしたいという思いで自らがれき撤去を申し出た。



「誇らしげに仕事を報告する少年はかつて罪を犯したとは思えない」と勝田さん。



必要とされる体験は少年たちが自分の「居場所」を発見した瞬間だった。



ロージーハウスの存在が地域から承認されるまでの道のりは安易ではなかった。



世間から見た非行少年は「何をするか分からず怖い」という印象が強く。



設立当初はロージーハウスの存在に反対する人が多数いた。



しかし大沼さんの指示のもと、大きな声で挨拶をしたり、ハウス周辺のごみ拾いを懸命にする少年の姿が徐々に地域から受け入れられるようになった。



それは設立1年半も後のことである。



 



「非行少年の社会復帰の支援は必要不可欠。そうした少年の居場所づくりに貢献するロージーベルは決してなくしてはいけない」2人は口をそろえて言う。



しかし運営資金の調整が難しく、職員をボランティアでしかまかなうことができないのが現状である。



今後、ロージーベルの活動に対する地域・社会全体の理解の獲得に向けて2人の挑戦は続く。



 



 



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