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河北新報社 記者と駆けるインターン

セリの魅力 地道に伝える 東北学院大3年 中澤直哉

2014.04.10 00:00
 



 



ふんわり香ばしいパン、サクサクと揚げられた春巻き。漂う野趣ある香り。



どちらも緑鮮やかな「仙台セリ」が使われている。



パンは名取市にある「ボンヌ・ジュルネ」、春巻きは市内の仮設商店街にある「おそうざい工房匠や」で作られる人気商品だ。



 



「新しい食べ方が地元で提案されるのはうれしいね」。



名取市下余田でセリ栽培に力を注ぐ大内繁徳さん(50)は顔をほころばせた。



地域の出荷組合長として40のセリ農家を率いる。



 




輝く深緑のセリ田に立つ大内さん



 



 



下余田に流れる名取川の地下水。



四季を通じて一定の水温を保つ澄んだ地下水が、良質なセリを育む。



2011年の東日本大震災では、沿岸部にある排水設備が津波によって壊された。



セリ田の水を下流に流せなくなり、下がった水温の影響でセリの緑は色を落とした。



「見栄えは劣るが味は大丈夫」。



地域の食材を避難所に届ける。



震災直後の「非日常」の中で、セリを食べて「日常」を感じてほしかったから。



栄養価の高いセリは、簡素な食事が続く避難所の人々に喜ばれた。



地元の人々にセリの存在を再認識してもらった。



 



組合の働きかけは、地産池消の新たな流れをつくった。



「セリ入りパン」「セリ入り春巻き」が生まれ、地域の人々に愛されているのはその証拠。



地産池消をさらに促進させるため、小学校3年生を対象とした栽培体験を継続的に行い、セリの魅力を伝える。      



下余田地区のセリ田が広がる場所から、視点を変え海側に目を向けた。



車でわずか5分。



いまだ、仮設住宅が立ち並ぶ。



 



伝統野菜の作り手として、何をすべきか―。



組合長は信じる。



「できることを地道にやるだけです」。



セリ栽培をリードする地域のリーダーは、今日もセリ田に入る。



 



     



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