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握りやすい太さと形状が選択の鍵 手すり

2021.10.14 03:00

「動作補助」と「移動補助」の2つの役割

2000年の建築基準法改正後、「手すり」を階段に設置することが義務付けられました。介護保険を利用した住宅改修では約9割が手すりの設置を含む工事に利用されているといわれています。

高齢者の住まいで非常に重要な要素である「手すり」ですが、2つの役割があります。1つ目は、玄関の上がり框やトイレの姿勢保持、立ち座りといった「動作の補助」。この場合は、手すりをしっかりと握る必要があり、直径が28~32mmが握りやすいと考えられています。2つ目が、階段の昇り降りや廊下を歩行する際など、バランス保持に必要な「移動の補助」です。手を滑らせて移動するため、直径が32~36㎜、ひじや手の平で体を支えるために手すり上部の平坦部位の幅が50~90mmあると利用しやすい形状とされています。



商品選びのポイント

握りやすく熱さ・冷たさがないもの

手すりの素材は、握りやすく、気温の変化や日の当たり具合で熱さや冷たさを感じないものが求められています。よって、手すりを選ぶ際は、取り付ける場所によって、向き不向きの素材があるので気をつけましょう。

室内 ……… 木製や樹脂製のもの

浴室 ……… 樹脂製のもの

屋外 ……… 金属製や樹脂製のもの

※握った時にすべらないよう、ディンプル加工がされているものが望ましいとされています。


取り付け時には、服や裾などを引っ掛けて転倒しないよう、端部を壁または床面に向けて曲げることや、目的地まで連続して設置するなどの点に注意しましょう。



1分間で理解する手すり

チェック1 手すりの役割の違い

【移動の補助とは】

1 階段の昇りや降りの昇降移動

2 廊下を歩く等の水平移動

3 部屋内部や屋外の移動 など


【動作の補助とは】

1 玄関先での立ち座りの補助

2 便器への立ち座りの補助

3 扉の開閉のバランス補助 など



チェック2 手すりの用途と適したタイプ



チェック3 バリアフリーリフォームへの助成

介護保険を利用して介護に必要な手すりの取り付けや段差の解消などの小規模な改修を行う場合、改修費の一部が支給されます(要支援、要介護者対象)。支給対象限度額は一人につき20万円(内、自己負担額1~3割)。改修後に支払われる仕組みです。手すりに関しては、以下のものに限定されています。


ワンポイント

室内用手すりの材質は、「木製」、アルミやステンレスなどの「金属製」、「樹脂製」があり、金属製と樹脂製が主流です。毎日使うものですので、握りやすく、熱くなったり冷たくなったりしないものを選びましょう。表面には滑らない加工がされているとより安心です。