「子どもの本で平和をつくる イエラ・レップマンの目ざしたこと」
「子どもの本で平和をつくる」
強い意志を感じる題、そしてこの言葉の持つ意味の美しさ。
この絵本を前にして、読む前に何度も私は「子どもの本で平和をつくる…」「子どもの本で平和をつくる…」と心のなかで繰り返してしまいました。
この絵本は、IBBY(国際児童図書評議会)の創設者のひとり、イエラ・レップマンの物語です。
1891年ドイツに生まれたレップマン。戦禍の中二人の子どもを連れてドイツからなんとか逃れ、戦後すぐにまたドイツに戻ったレップマンは戦争で大きな傷を負ったドイツの子どもたちのために活動を始めます。
爆撃で図書館の崩れた街に、世界中から子どもの本を集めて、展示会を開きたい。
レップマンの情熱は多くの人々を動かし、子どもたちに本と触れ合う機会を作っていきます。
絵本の主人公はこの崩れた街の二人の姉弟です。
食べるものにも困る中で、レップマンの展覧会を通して絵本と出会い、
本が心の支えになり、前を向きまた夢を見て歩いていくことが出来るようになるのです。
レップマンはその後も活動を続け、国際児童図書館、IBBYの設立など、子どもの本の文化に大きな貢献をしました。
自分も、絵本を主に扱うお店をやっているものとして、胸に迫るものがある絵本です。
『子どもの本で平和を作る』
本当に、素晴らしいタイトルですよね。いまも胸の中で、ずっと繰り返しています。
ちなみに原題は「The Lady with the books」なので、この日本語版のタイトルは訳者のさくまゆみこさんがつけたのでしょうか?素晴らしいなあ。
この絵本は7月に出ていたのですが、新刊情報をくまなくチェックできておらず、今頃の紹介となってしまいました。
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