フランス移民局のガサ入れ家庭訪問
これは今から3時間ほど前の夜9時頃にあった出来事である。「ピンポーン」と呼び鈴が鳴り、旦那が受話器をあげた。すると、男は言った。「OFII(フランス移民局)の者ですが、フランスに移民されていいるリリーさんの調査で来ました。彼女にいくつか質問があるのでいいですか?」
事前に何も知らされていなかった私たちは戸惑いながらも彼を部屋に通した。何だ?何だ?突然!
「フランスに移民されてきた方みなさんにこういった調査を行っていますのでご安心下さい。」そう言って、書類やらパソコンやらを広げだした謎のOFFIマン。本当だったらゆっくりDVDでも観ようと思ってたのに。まぁ、いいや。どうせお決まりの質問(「フランスの生活で困っていることはありますか」だとか「今、仕事を探していますか?」など)に答えればいい。さっさと終わらせて帰ってもらおう。
ところがこの謎の男が私にした質問は彼の存在以上に謎だらけだった。特におかしかったのは・・・
・友達はいますか?日本に。(こんなこと聞かれたことない)
・日本の友達とは何語で話しますか?(日本人と話すのに日本語以外を使う人がいたらお目にかかりたい)
・普段、何を食べてますか?日本食を作ってますか?それともフランスの料理ですか?(どっちだってよくねぇーか?)
・ご主人とはどうやって知り合ったのですか?(それを聞いてどうする?)
何となく聞き出したいことはわかるけど、何とも腑に落ちない(わざわざ訪問してまで聞くことじゃないだろうと思う)質問は・・・
・あなたのご家族とは何語で話しますか?(当然、日本語です。聞かなくてもわかるでしょ?)
・あなたの家系で海外に移民された方はいますか?(いません。仮にいたところでどうする?)
・将来の目標は何ですか?(いや、これ就職の面接か何かですか?)
・先日OFFI主催のミーティング(強制)に参加されてますが、おもしろかったですか?(つまらなかったです。おそらくあそこにいた人みんなそう思っていたと思います。)
彼が来てすでに1時間が過ぎていた。インターネットの話になり、「どうしたら映画をダウンロードできるか?」をちゃっかり旦那にレクチャーしてもらったOFFIマン。最後に簡単なフランス語レベルチェックをして、私の調査は終わった。と、思いきやまたまた動画ダウンロードの方法について旦那に詳しく質問…。一体何なんだ!!
謎!謎!謎!謎!謎!謎!謎!
その後、男は笑顔で帰っていった。一体なんだったんだ、あれは。彼から移民局発行の書類を受け取った今となっても、謎ばかり。というか、本当に移民局の人だったのか。根本まで疑いたくなる。そんな奇妙な出来事でした。