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サンティアゴへの道 - Mi Camino de Santiago -

Calçotada en Arzúa (アルスアでカルソターダを食べる)

2017.03.24 22:55

ここガリシアでカタルーニャ地方の冬から春にかけての名物カルソターダ(Calçotada)を食べに行った。 

ベタンソスから南へ45kmのアルスア(Arzúa)という町へ向かう。 

途中クルティス(Curtis)を通過。この町は周辺の街より気温が低く、前々日に降った雪がまだ残っていた。

ガリシアに来てもうすぐ4年。初めて直に雪を見て、触った。 

アルスア(Arzúa)に入って、ア・パインサ(A Painza)でモーニングコーヒー。

Restaurante A Painzaは網焼きがオススメのお店のようで、裏には網焼きのやパーティーをするスペースがあった。 

このレストランの道路を挟んで向かい側には広大な敷地の宿、カサ・ルーラル(Casa Rural)がある。

 元々はお屋敷(Pazo) だったところの一部を宿泊施設にしているもので、お屋敷の中を見学できたり、レストランを併設しているところも多い。

特にここガリシア州にはPazoを使ったカサ・ルーラルをよく見かける。町中から離れてポツンポツンと点在するカサ・ルーラル。

敷地内は手入れが行き届いており、何もせずにただゆっくり過ごすには最高の場所。 

友人曰く、Pazoと呼ばれるには3つのものが必要とのこと。

大きな木と鳩舎と礼拝堂。

ここA Painza - La Aldea del Camino de Santiagoにも、入り口にユーカリの巨木があり、鳩舎も見えた。礼拝堂は見えなかったが、おそらくお屋敷内にあるのだと思う。 

Arzúaに着く手前にもう一箇所Pazo Santa Maríaに寄り道。

ここもとてもよく手入れされた庭、レストランと宿泊施設が整っている。

庭を散策しているとPazoのオーナーが出て来て、親切にレストランと宿泊施設を案内してくれた。

開業前のPazoの写真を見せてくれたが、かなり痛んでいた建物や荒れ果てていた庭を見事に修復したことがよくわかった。

レストランも宿泊施設の部屋も天井の梁が見事。いつか泊まってみたいと思わせる場所だった。 


寄り道のしすぎでArzúaの市内を見て回る時間がなくなってしまった。 

ちなみにArzúaは、畜産と養蜂が盛んでガリシアのチーズ、おっぱいの形をしたテティージャ(Tetilla)の産地。

市内にチーズと蜂蜜の博物館があるのだが、今回は寄る時間がなかった。 

また、Arzúaはサンティアンゴ巡礼のフランス人の道(Camino francés)のルートに当たる町。

サンティアゴ・デ・コンポステーラまでは35kmほど。巡礼の最後の行程だ。

自分も5月に始める巡礼で予定通り行けば6月のはじめにこの街を通過する予定だ。 


Arzúa市内は寄らずに郊外のカサ・ルーラル(Casa Assumpta)へ向かう。 

ここでは毎年、冬から4月までカタルーニャ地方に行かずにカルソターダ(Calçotada)を食べることができるのだ。 

カルソターダ(Calçotada)とは、日本の長ネギに似たカルソッツ(Calçots)を炭火焼きにして、それにサルサ・サルビシャーダ (salsa salvixada)というソースをつけて丸々一本ずつカルソッツ(Calçots)の白い部分を食べるもの。 

食堂に入るとカルソターダ(Calçotada)のテーブルと通常の食事用のテーブルが用意されている。 

まずはカルソターダ(Calçotada)から。こちらのテーブルには椅子がない。

最初にカルソターダ(Calçotada)とプリントされたエプロンが渡される。

テーブルの上には瓦のような湾曲したプレートと水差しのようなボトルが置いてある。

そこへ炭火焼きされたカルソッツ(Calçots)とサルサ・ロメスコ (salsa romesco)が運ばれてくる。

ポロン(porrón)と呼ばれる水差しのようなガラスの入れ物にはカバ(Cava)が注がれ、初カルソターダ(Calçotada)を食べる。 

(隣のグループ)

カルソッツ(Calçots)の緑の部分を持ち、炭火で焦げている外の皮をツッると剥がすと、中から真っ白の中身が現れる。

見るからに水々しくテカっていて、持っていると水分が滴り落ちてくる。これをサルサ・サルビシャーダ (salsa salvixada)にディップして、手を高く上げ天井を向いて口を広げカルソッツ(Calçots)の下の部分から口の中に入れていく。

とても柔らかい食感で、炭火で焼いてあるので全く辛味はなく、水々しいネギに近い甘い風味が口に広がる。

この風味にトマト、ニンニク、アーモンド、ヘーゼルナッツ、オリーブオイル、ビネガーなどで作られたサルサ・サルビシャーダ (salsa salvixada)が合う。

おそらくサルサ・ロメスコ (salsa romesco)と呼ばれているものと同じだと思う。 

カルソッツ(Calçots)は長ネギにとてもよく似ているが、ネギではなく玉ねぎの一種とのこと。

土の中に玉ねぎができる前に地上に出ている茎の白い部分に土をかけ、また白い部分が土から出てくるとそこに土をかけいくと、先端に玉ねぎ状の丸い部分ができる代わりに白い部分がネギのように伸びてくるのだそうだ。 

口の中にカルソッツ(Calçots)を入れるのに手間取っていると、その間に周りについているサルサがポタポタ垂れてくるので、エプロンは必要なのだ。 

カバもグラスはないのでポロン(porrón)から直接口の中に注いで飲むのだ。

これも水差しの口から出てくるカバの放物線をうまく計算しないと口の外にこぼれてしまう。

こんな食べ方も飲み方も初めての経験。 

何本のカルソッツ(Calçots)がお腹に収まったことか。

これからは席についてカタルーニャ地方の食事をいただく。 

メニューは以下の通り。 

- Pan con tomate y jamón (トマトとハモンのパン) 

- Escalivada (赤パプリカと玉ねぎとナスのエスカリバーダ) 

- Judias con butifarra (白インゲン豆とブティファーラ(カタルーニャ地方の腸詰め)) 

- Cordero a la brasa con ali oli (ラム肉のローストとアリオリソース) 

- Crema catalana con carquiuyolis (クレマ・カタラナ)  

ブティファーラ(カタルーニャ地方の腸詰め)は、ガリシアで食べるembutido(腸詰め)とは違う。

違いをうまく表現できないが、おそらくブティファーラの方が日本人にとっては馴染み深く、口に合うような気がした。 

カルソターダ(Calçotada)以外では、ラム肉のローストがとても気に入った。

焼き加減もちょうど良いし、肉自体もうまい。

自分にはアリオリソースは必要なかった。肉だけで十分おいしいし、すごい量。  

最後はカタルーニャ地方のデザートCrema catalana (クレマ・カタラナ)で締め。 


2日前の誕生日も合わせて祝ってもらい、なんともいい気分。 

3人とも体を動かさないと寝てしまいそうなので、滝のあるAs Hortasまで行ってみることに。  

食事中は日が照っていたが、我々が外に出ると急に曇って来た。 

10分ほどでAs Hortasに到着。案内に従い谷を下っていくと水音が聞こえて来た。 

眼下に滝が現れた。

高さは10mほどだろうか、上で二本に別れて水が落ちている。左がメインで、右は水量が少ないので水しぶきが降ってくる感じ。

ガリシアで初めて見る滝だ。 

今日は初ものづくしの1日だ。

初めての雪、初めてのカルソターダ、初めての滝。  

川を下っていくと所々に小さな滝が現れ、Molino(水車小屋)の跡もあった。


晴れていればさぞかし気分の良くなる場所だが、今日はちょっと寒かった。