東急電鉄の座席指定サービスの眺望
1.はじめに
皆さんはじめましての人ははじめまして、お久しぶりの人はお久しぶりです。中学3年になったと思ったらもう高校生になろうとしている〇〇です。いやはや時の流れというものは早いですね。初研究から1年以上の年月が経過したようです。そんなことは置いておいて、さっそく今回のテーマである東急線の座席指定サービスに関する説明をしていきたいと思います。
2.現在の東急線における座席指定サービス
現在東急線における座席指定サービスは二つあります。大井町線から田園都市線に直通し、大井町駅から長津田駅を結ぶ「Qシート」と、みなとみらい線・東急東横線・副都心線・西武線を走行し、主に元町・中華街駅から西武秩父駅を結ぶ「S-TRAIN」です。まずはこの二つについてみていこうと思います。
①Qシート
Qシートは東急大井町線で運転されていた有料座席指定サービスです。平日の夕方から夜間にかけて、大井町線の大井町駅から溝の口駅を経由し田園都市線の長津田駅まで5本が運転されていましたが、2020年6月のダイヤ改正で倍の10本に増発されました。現在は新型コロナウイルスによる特別ダイヤの影響で、17時代から20時代にかけての6本が運転されています(時刻は大井町駅基準)。途中停車駅は旗の台駅、大岡山駅、自由が丘駅、二子玉川駅、溝の口駅、鷺沼駅、たまプラーザ駅、あざみ野駅、青葉台駅と、通常の急行列車と同じです。大井町駅から自由が丘駅までは乗車専用駅、二子玉川駅から鷺沼駅までは降車専用駅、たまプラーザ駅からは乗降可能駅となっています。また、Qシートとしてのサービスを行っているのは7両編成のうち3号車のみとなっているため、他の号車は停車する各駅で乗降が可能です。Qシート利用の際乗車指定券代として一律400円が必要です。車両は大井町線の急行専用車両である6020系と6000系の第一・第二編成の合計4編成が使用されます。
①東横線・みなとみらい線~東京メトロ日比谷線系統QSEATに使われている6000系
車両全体にオレンジ色のラッピングが施されている
②S-TRAIN
S-TRAINは西武鉄道が主体となって運転している座席指定列車です。平日と土休日で停車駅と直通先が異なっており、東急線に直通してくるのは土休日の便です。横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅から西武線方面に運転されていて、西武線方面から2本、西武線方面に向けて3本が運転されます。東横線内は渋谷駅・自由が丘駅・横浜駅に停車します。
3.座席指定列車の追加設定
ここまで、東急電鉄で現在運転されている座席指定列車について書いてきましたが、ここからは「東急電鉄の他路線・他系統への座席指定列車の導入」という点について考えていきたいと思います。
なぜ座席指定列車を設定するか、ということについてですが、東急電鉄の路線は比較的混雑率が高く、また東京都が推奨した時差Bizに伴う臨時列車を運転した際、ある程度の利用があったため、オフピーク通勤に対して関心がある沿線民が多いと考えたからです。
今回、座席指定列車を新規設定するべきである路線として以下のものを選びました。
①東横線・みなとみらい線~東京メトロ日比谷線系統
②田園都市線~大井町線系統
③目黒線~都営地下鉄三田線系統
①東横線・みなとみらい線~東京メトロ日比谷線系統
これは現在休止されている東横線と日比谷線の直通を復活させ、同時に座席指定列車を設定してしまおうというものです。日比谷線に直通することで東京の中心部に再び1本で行けるようになり、また、直通運転が休止された2013年に問題になっていた車両長・ドア数の問題も東京メトロ13000系・東武70000系・70090系の導入により解決しています。保安装置などの問題もありますが、東京メトロ日比谷線で使用されている保安機器類は東京メトロ副都心線のものと同一であるため、多少の訓練は必要になると思いますが大丈夫でしょう。
②田園都市線~大井町線系統
これは現在のQシートに準ずるものを運転又は増発するべきということです。現在のQシートは1列車が運べる人数が他の座席指定列車に比べて大幅に少ないため、これらを改善するべきだと思います。また、朝時間帯の長津田駅からの列車もQシート運用をしたほうがいいと思います。この路線では既にQシートが運転されているため追加で運転するための路線上の問題はないと思いますが、Qシート用の車両を6000系全編成に増結する必要が出てくるかもしれません。
③目黒線~都営地下鉄三田線系統
最後は目黒線から都営地下鉄三田線に直通する列車です。都営三田線は東京の中心部を通っているため、座席指定列車を運転するのに十分な需要があると思います。また、これらの路線は2022年度に今までの6両編成から8両編成に変更することが決まっているので、混雑率が下がることが推定されるため、朝ラッシュ時間帯に運転したとしても大丈夫だと思います。
4.座席指定列車追加時のダイヤ
ここまでどの路線に座席指定列車を運転するべきかについて見てきましたが、ここからは実際に運転するならばどのようなダイヤで運転することになるのかについて見ていきたいと思います。
時刻表のうち、太字になっているものが今回新設した座席指定列車です。
①東横線・みなとみらい線~東京メトロ日比谷線系統
既存のダイヤ
変更後のダイヤ
東横線は朝ラッシュ時間帯の本数が多く、退避をすることができる駅が限られているため座席指定列車を新規に運転できるほど朝ラッシュピーク時に余裕がありません。ですので、朝ラッシュより少し外れたオフピーク時に運転することにしました。
停車駅は、綱島駅、日吉駅、武蔵小杉駅、自由が丘駅、恵比寿駅と恵比寿駅から先日比谷線内各駅とするべきだと思います。中目黒駅には乗務員交代のために停車させなければいけないのですが、旅客営業を行うのは不適当と考えたため、ここでは省かせていただきました。これらの駅を選んだ理由は、東横線内の停車駅は全駅が1日の乗降客数が10万人を超えている主要駅であり、十分に需要が見込めるからです。日比谷線内の停車駅は、日比谷線内に退避をすることができる駅がないことから恵比寿駅以降の全駅停車として他の列車との平行ダイヤにするべきだと考えます。
また、運転区間は菊名駅~東京メトロ日比谷線八丁堀駅までとしました。理由としましては、東横線側については横浜駅が1面2線の駅であり、これ以上本数を増やすことは現実的ではなく、日比谷線側についてはすでにこの時間帯に3分に1本程度電車が走っており、できる限り中目黒駅よりでなおかつ本線に交差支障しない駅で折り返したほうが良いと考えたからです。八丁堀駅到着後は折り返し回送とするのが良いでしょう。
運転方式については、1列車丸ごと座席指定列車として運転するのが良いと思います。なぜなら、この列車は東横線から東京メトロ日比谷線内まで直通運転するので、無料で乗車することができるようにしてしまうとこの列車に乗客が集中してしまう可能性があるからです。
②田園都市線~大井町線系統
こちらに関しては夜間帯に運転されている大井町線からの急行長津田行きのうち、現在はバラバラな列車がQシートとして運転されているのを、18時台から20時台に大井町駅を00分・30分に発車する列車でQシート運用をするという風に変えるとよいと思います。そうすれば利用者の利便性が向上し、同時に本数を増やすことも可能になります。Qシート運用をすることができる車両は限られていますが、所要時間を踏まえると現在の編成数で十分に運用することができると思います。
③目黒線~都営地下鉄三田線系統
※灰色の時刻は通過時刻
目黒線~都営地下鉄三田線系統の座席指定列車のダイヤはこのように設定しました。上り列車(目黒線から都営地下鉄三田線方面行)についても設定しようかと考えましたが、現在の目黒線は武蔵小山駅でのみでしか退避ができず、これ以上本数を増加させるのは困難だと判断したため、今回は設定していません。
停車駅は上の通り、水道橋駅、神保町駅、大手町駅、日比谷駅、内幸町駅、三田駅、目黒駅、武蔵小杉駅、日吉駅です。始発駅を水道橋駅としたのは、目黒線から三田線へと送り込みの回送電車を運転するとなると、最も目黒線側に近く、日吉駅方面に折り返せるのは新板橋駅であり、水道橋駅は新板橋駅に近く、なおかつ中央・総武線との乗換駅になっているので、十分に需要を確保できると考えたからです。
本数は合計で4本としています。もともとは21時台以降にも運転させるつもりでしたが、コロナによる夜時間帯の乗客の減少のため、20時台までの運行にしました。
運転方式は三田線内でも通過運転を行うことから、乗客を集中させないためにも、1列車を丸ごと座席指定列車として運転するのが良いと思います。
5.まとめ
東横線から東京メトロ日比谷線、都営地下鉄三田線から目黒線に直通する全車座席指定列車を新規に設定し、既存のQシート運用列車の発車時刻調整や増発などを実施すべきである。
6.終わりに
いかがだったでしょうか、実に1年以上ぶりの研究執筆になってしまいました。久しぶりの研究ですのでお見苦しい点も多々あったと思います。次回以降は改善していきたいです。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
7.参考サイト
・東急株式会社
https://www.tokyu.co.jp/index.html
・東京メトロ
https://www.tokyometro.jp/index.html
・西武鉄道Webサイト
https://www.seiburailway.jp/
・都営地下鉄 | 東京都交通局
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/