[冊子デザイン・表紙絵]『FUEKI vol.76』
『FUEKI vol.76』(福武教育文化振興財団の機関紙機関紙)の冊子デザインと表紙絵を制作させていただきました。表紙と全ページのデザインをご紹介します。
表紙絵
今回の表紙絵はNPO法人アートファームの代表を務める大森誠一さんが育てた桃。
桃の背景には、アートファームが手掛けてこられた、舞台芸術のフライヤーや記録写真から部分的に線画を描きおこし、配置しています。中には子どもへ向けたワークショップのシーンも。
大森さんは、舞台芸術に関するNPO法人を運営する傍ら、果の実ファームという農園を営んでいます。桃だけではファームになってしまうので、アートの部分をこのような形で表現しました。
実は当初、背景は写真をコラージュする案で進めようとしていました。しかし各方面への許諾が必要となるとのことで、考えた代替案がこの線画の案です。
仕事ではしばしば制約が生じますが、それが新しい表現を生むきっかけとなることも多いです。
果の実ファーム
表紙絵を描くにあたって、財団の和田さんが取材に誘ってくださいました。現地を訪れ、お話を聞くことはとても楽しい時間です。そして、写真をもらって描くだけよりも、描く対象に奥行きが生まれると感じます。
せっかくのなので、農園で撮った写真をご紹介。
ある作業に特化した専用の道具ににはとても心惹かれます。こちらは桃の収穫専用のカゴ! かわいい。
これはぶどうの温室で見かけた踏み台。アルミ製で軽くて、なんて使いやすそう! それぞれの道具に萌えます。
普通の2分の1程度(だったと思います)の小さなサイズのガラス温室。天井も低めです。サイズ感が小人さんのお家みたいでチャーミングでした。
こちらが収穫させていただいた桃です。収穫はコツがあって、綺麗に採るのはなかなか難しかったです。
素人目には綺麗に見える桃でも、わずかでも傷がつけば缶詰やピューレ用としてしか出荷できないのだそう。事務所には「加工用桃出荷基準表」という、どのような状態の桃が缶詰・ピューレ用になるのか一目で分かるようになっているポスターが貼られていました。そちらによると、例えば樹があたってわずかに凹んでいるだけでも缶詰用になるとか。綺麗な桃も、収穫の仕方次第では缶詰行きになりかねない…。素人には任せられない繊細な仕事だと感じました。桃はそれでなくても傷みやすい果物。トラックで輸送中、衝撃で傷がついてしまうことだってあります。手間暇かけられ、選ばれし桃のみが私たちの食卓に届いているのですね。
さて、上の写真が絵のモデルです。桃はシンプルな形と色で、なかなか描くのに苦労します。和田さんが「大森さんの桃を描いてほしい」とおっしゃっていた言葉が印象に残りました。あまり見かけないほどにどっしりと重く大きい「大森さんの桃」。「どっしり〜どっしり〜」と念じながら描きました。
お味は……それはもう甘くて濃密で美味しかったーーー! 口福とはまさに。
裏面には大森さんのエッセイも。
巻頭特集
巻頭特集はアンケートの調査結果など。数字や表ばかりのページですが、読みたいと思ってもらえるように、柔らかな色味とイラストを使ってまとめました。
連載ページ
次の3見開きは連載ページです。
今号も盛りだくさん。お読みになりたいと思われたら、お電話などで財団へお問い合わせください。希望者に郵送してくださいます。また、財団のホームページでは全ページPDFでお読みいただけます。
福武教育文化振興財団の機関紙「FUEKI vol.76」
編集発行 : 公益財団法人福武教育文化振興財団
制作 : 株式会社吉備人
印刷 : 研精堂印刷株式会社
デザイン・イラスト:タケシマ レイコ
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