合衆国の歩み1-ワシントン2期で辞任
2021.10.05 09:48
1797年、初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンは、8年間2期で大統領の職を辞した。実はワシントンには、そのまま大統領選挙に立候補し、実質終身大統領となってもらいたい要望が寄せられていた。ワシントンは「皆共和主義者であり、政党が要らない」と言った。
実はワシントンは、1期で退くことを考えていたが、国をまとめていけるのがワシントンしかいないと説得された。ハミルトンの連邦党、ジェファーソンの民主共和党が激しく対立し、理想は絶たれた。大統領選挙では連邦党のジョン。アダムスが僅差で勝利し、敗れたジェファーソンが副大統領となった。
ワシントンは、最後に辞任挨拶を新聞に発表し、何よりも憲法への忠誠と国民の団結、そしてその基礎の宗教と道徳を訴えた。ワシントンの時代は、国際的にも英仏が対立し、どちらにもつかないという孤立主義的選択が行われた。この辞任挨拶は、アメリカ政治の精神となった。
ワシントンが二期で引退したことは、政権交代性を示すこととなり、その後も三期務めたのは第二次大戦中のルーズベルトだけである。しかし一方で、ワシントンの神格化も行われた。ドル紙幣の肖像画はもちろん、アメリカ議事堂の天井画には、神々の中心にワシントンが描かれている。