絵本 2歳児にお勧め『おもち』
餅の歴史は稲作が伝来してから弥生時代に作られました。稲作信仰の流れを汲み餅は神様が宿る特別な食べ物として行事や祭りに取り入れられ、それらを下げて食するようになったのが餅の歴史です。
今回取上げる絵本は2~4歳向けの福音館書店の絵本です。
表紙を開くと昨今見かけることが少なくなった火鉢の柔らかな色合いの美しさが目に入ります。つるつるすべすべとした火鉢が炭で少しずつ赤くなり、思わず手を差し出して温かさを確認したくなります。
白い餅が徐々に膨らんでいき、香ばしい香りがして状態が変化する餅の様子を絵本で楽しむことができます。お正月の残りの餅を焼き餅が絵本のように変化していくことを2歳児は事象確認をし、3歳はその様子を面白がり、4歳になるとその時系列を考えながらお話ができるようになります。
実際に餅を焼き2歳児の発達の特徴である対象物を見つめるという観察力の芽を出させ、注視力鍛えながら時系列の種蒔きをする土台を作ります。3、4歳になって注視力が直ぐに行えるものではありません。2歳頃からのこの注視力を育てる種蒔きを多く行うことが肝心なのです。そのような種蒔きをフォローしてくれるのがこの絵本。餅の膨らみをじっくりと眺めることを行い、視覚以外の刺激も手に入れられる餅を焼く経験をさせ、絵本で何度も繰り返し経験値を確かなものにいたしましょう。
餅の変化を目で見て、餅が膨らみきったときに聞こえる音に耳を傾け、香ばしいおこげの香りを嗅ぎ、焼きあがった餅の熱さや温かさを感じ、きな粉やお醤油、餡子の美味しさを体験させてください。実体験とこのような絵本がタッグを組むと絵本を読むたびに実体験が思い出されます。記憶力という強化にも道を開いていくことになるので私なら実際に何度も餅を焼いて経験を積ませことある毎に絵本を読んであげるでしょう。
火鉢がなくても餅焼き用の網を購入して直火で焼いたり、オーブントースターで焼くなどしてもよいでしょう。食すときは小さく千切り、飲み物を必ず準備しながら召し上がってください。この時いろいろな味を準備し味覚の刺激もはかることもできます。