新1ポンド硬貨、英国で導入 自販機などの対応に遅れも
2017.03.28 06:36
英国で28日から新しい1ポンド硬貨が導入される。商店や銀行、自動販売機などはこの日に備えて3年前から準備を進めてきたが、一部の鉄道の乗車券販売やコインパーキングではトラブルも予想される。
スーパーマーケット大手のテスコはセルフレジを刷新し、セインズベリーズもレジやショッピングカートで新硬貨が使えるようにした。
ロンドンの地下鉄「チューブ」は約25万ポンド(約3500万円)をかけて乗車券の自販機1000台あまりを刷新。一方、ロンドン郊外を走る鉄道網の「オーバーグラウンド」は、まだ自販機59台の入れ替えが済んでいない。
駐車場を利用する場合、当分は古い1ポンド硬貨も用意しておいた方が良さそうだ。業界団体によると、パーキングマシンは約8台のうち1台の割合で新硬貨の識別に問題があり、釣り銭がうまく出ないなどのトラブルが予想される。
自販機の業界団体によれば、英国内の自販機約7万5000台は、刷新を行わなければ新硬貨が使えない状態にある。規模の小さい小売店なども新硬貨への対応は頭痛の種になっている。
偽造防止の新技術を施した新硬貨は、王立造幣局が2014年に発表した。新硬貨は12角形で、直径はこれまでの1ポンド硬貨より少し大きい23.43ミリ。内側の銀色部分をニッケル黄銅で縁取りしたデザインは、1ユーロ硬貨に似ている。古い1ポンド硬貨はほぼ40個中1個に当たる2.5%以上が偽造だった。
古い硬貨は今年10月で法定通貨ではなくなるが、銀行ではその後も受け入れを続ける。