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daiyuuki 全身当事者主義

アオラレ 最悪の煽り運転の恐怖があなたを襲う

2021.10.07 12:59

美容師として働くシングルマザーのレイチェル(カレン・ピストリアス)は、今日も朝寝坊してしまい、慌てて息子のカイル(ガブリエル・ベイトマン)を学校へ送り届けながら職場へ向かう。

ところが、高速道路は大渋滞。度重なる遅刻がたたり、クビを言い渡されてしまう。

最悪の気分のまま、赤信号で停止するが、青信号に変わっても前の車が発進しない。

クラクションにも反応しないことにイラついたレイチェルは、思わず追い越してしまう。

すると、その車を運転していた男(ラッセル・クロウ)が、“運転マナーがなっていない”とクレームをつけ、謝罪を求めてくる。

それを拒否して車を出すレイチェル。話はそれで終わったかに思われたが、息子を学校に送り届けた後、立ち寄ったガソリンスタンドの売店で、その男に尾行されていることに気づく。

さらに、店員から“あおり運転の常習犯”と警告を受けたレイチェルが車に戻ると、ある異変が……。

だが、時すでに遅し。信じられない執念に駆り立てられた男のノンストップの“あおり運転”が、レイチェルに襲い掛かる……。

日米共に、問題になっている煽り運転をテーマにしたサスペンスホラー映画。

広がる格差、不安定な雇用と経済、警察や司法への不信、人々は漠然とした爆発寸前の苛立ちを抱えている。

煽り運転など、突発的な暴力事件が、増加している。

この映画は、最悪の煽り運転から始まる恐怖を描いたもの。

被害者は、シングルマザーのレイチェル。

仕事が長続きしない夫と離婚したが、レイチェルに未練たっぷりの夫に離婚手続きを引き伸ばされ弁護士費用が嵩み、弟が恋人とレイチェルにパラサイト中なので弟たちの生活費を稼ぐために、個人請負の美容師として、ギリギリの生活をしている。

加害者は、自称トム・クーパーという男。

仕事で精神を病み解雇され、妻に離婚され、自暴自棄になっている。

2人は、不運が重なって不幸に追い込まれ、人生に疲れ果てて心身共にギリギリの状態にある。

きっかけは、朝からイライラする出来事が重なって思いやりを欠いたクラクションだった。

だが、たまたま出くわした不運がきっかけで、自暴自棄になったいわゆる「無敵の人」トムに、追い回されることになるレイチェルの恐怖は、バスの中で子供連れの女性やコンビニなどで立場の弱い店員などが暴言や暴力を受ける事件が多発している現代においては身近なリアルな恐怖。

渋滞中の道路で後ろから煽り、レイチェルが助けを求めた弁護士などを躊躇わず車で轢いたり締め上げ、レイチェルの家族も容赦なく巻き添えにするトムに追い詰められる前半、道が入り組む近所にトムをレイチェルが誘い込み反撃する後半、構成がシンプルなぶん観ている観客が、当事者感覚で追い込まれるサスペンスホラーの良作。

「お前に、ホントの不運を教えてやる」