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坂本雅彦ホームページ

ウィズコロナ時代の婚礼について

2021.10.08 06:06

おやじが言う「おや?地震?」昨日は大きめの地震があったので今日は電車が遅れていました。電車が出んしゃ!

 さて、コロナ禍の婚礼について少し書いてみました。

 日本各地で長らく続いてきた新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するための緊急事態宣言や蔓延防止措置がやっと解除されました。国民にとってこのような制限を経験することこれまではなかったことでしょうから多少なりともストレスを感じていたことと思います。これでコロナ禍が終息したとは言い切れないと思いますが、まずは一休止できるのでは晴れやかな気分にもなります。私が普段勤務している本郷3丁目や銀座やのんびり暮らす都内の下町にも人出が戻りつつあり、コロナ禍以前の景色が久々に拝めるようになりました。

 さて、そうした中、私が長らく従事してきたウエディング業界にも業況の改善の兆しが見えるようになりました。これまで、結婚が決まっても挙式・披露宴の開催を見合わせてきたカップルが、来年の春先を目途に会場の予約の為に積極的にホテルや専門式場を訪れているようです。2011年に東日本大震災が発生した際にも翌年の2012年には以前にも増して多くの新郎新婦が挙式披露宴を開催し、専門式場やホテルは逆に盛況となりました。今回のコロナ禍において多くの人が集まるウエディングは自粛せざるを得ない状況が1年半も続いたこともあり、相当数のカップルが、コロナ禍が明けることを待ち望んでいたのでしょう。

 とは言え、入籍をしたものの、結婚式をあげないカップル、いわゆる「ナシ婚派」がコロナ禍で益々増えてしまったというデータもあります。お披露目をするタイミングを逸してしまったのでしょう。貴重なハレの機会を諦めてしまうことはご本人にとっても業界にとっても残念で仕方がありません。

 ナシ婚派の人たちに行ったアンケート結果を見たところ、じつは「身内だけのお食事会をした」「結婚指輪を購入した」が、いずれも60%を超え、「婚礼衣裳で写真撮影をした」が約26%にも及んでいます。決して「何にもナシ婚」というわけではないようです。

 このデータを見て、ナシ婚派の人には3つのスタイルのウェディングを新たに提案したいと思います。

 1つ目は「フォト・ウェディング」。いわゆる「写真だけの結婚式」です。写真は不滅です。親戚やゲストの日程調整の必要がありませんし、多くの人が集まるわけではありませんので精神的なプレッシャーも少ないと思います。スタジオのみならず、日本庭園での和装姿や、ガーデンでのロケーション撮影が特に人気です。

 続いては「顔合わせのお食事会」です。すでにナシ婚派の6割以上が行っているわけですから、潜在需要が最も高い商品だと思います。沖縄や北海道での挙式や海外挙式を行った新郎新婦もこのような食事会を行っています。もちろん、リゾート挙式の後の現地での食事会も人気です。このような食事会はフォト・ウェディングと組合わせた「ハイブリット婚」として今後は増えていくと思われます。

 そして、最も注目されているのが「エンジェル・ウェディング」です。これは子どものお披露目も兼ねた比較的新しいウェディングのカタチです。「子どもができたからしない」ではなく、「子どもがいるからこそする」、非常にポジティブな発想から生まれたセレモニーです。新郎新婦が赤ちゃんを抱いて入場するシーンはとても微笑ましい。まさにエンジェルの笑顔で会場は一気にアットホームなムードに包まれていきます。

 結婚式とは親族や友人へ「感謝のココロを届けるカタチ」です。「感謝もまったくナシ婚」ではいただけません。アフターコロナ、ウィズコロナという社会環境の変化に合わせて、多様なカタチのウエディングの様式に柔軟に対応し、新郎新婦の魂を結ぶ「結魂」に際し最高の人生の門出となるように婚礼業界は弛まぬ努力を行い、かつ両家の御縁を大切にし、婚礼文化を発展させ昇華しなければなりません。それこそが際たる平和活動でもあるのです。

 コロナ禍であっても祝福産業の使命は貴いのです。素晴らしい「セレモニー」は最高の「メモリー」、それは新郎新婦の生涯の宝物になるのです。