夢売るふたり　鬼才・西川美和が結婚詐欺を企む夫婦の割り切れない愛憎を描くヒューマンサスペンス

｢ゆれる｣｢ディア･ドクター｣の西川美和監督が､松たか子と阿部サダヲを主演に迎え､ふとした運命のいたずらから2人で結婚詐欺を始めた夫婦の姿を通して､男と女の単純には割り切れない愛憎と欲望を濃密な筆致で描き出したヒューマン･サスペンス｡

東京の片隅で小料理屋を営む貫也（阿部サダヲ）とその妻､里子（松たか子）｡

2人が懸命に働いてようやく手に入れたその店は､調理場からの失火が原因で全焼､2人は一夜にして全てを失ってしまう｡

一からやり直そうと前向きな里子に対し､すっかり投げやりになってしまった貫也｡

そんなある日､夫の浮気に気づいた里子は､彼を使って結婚詐欺をすることを思いつく｡

こうして2人は､孤独な女を相手に巧みな結婚詐欺を繰り返し､店を再開するための資金集めに邁進するのだったが…｡ 

コメディのイメージの強い阿部サダヲが、金もないだめ男なのに、女性に対する細やかな優しさで、女性を虜にする色気を持った主人公・貫也を演じて、意外にハマっています。

松たか子が旦那さんを利用して結婚詐欺を働く女性・里子を演じて、自分を裏切った旦那さんに対する複雑な思いを表現していて、夫婦の複雑な本音やすれ違いを描いた異色の夫婦映画です。

現代を生きる女性の寂しさや本音も描いていて、カップルや夫婦で見て欲しい映画です。