DJI MATRICE 200シリーズ:電力網点検分野におけるソリューション
中国の雲南省には、水力、風力、地熱、ソーラー、バイオマス、石炭による発電所が集積しています。一方で、これらの電力送電網の点検に際しては、雲南省の変わりやすい天候と複雑な地形が障害になっています。
昭通市供電局
雲南電網公司の昭通市供電局は雲南省の北西部にあり、高原地とモンスーン気候という環境により亜熱帯かつ温帯な地域です。 昭通市内の複雑な地形と高低差は、域内において気候格差を引き起こし、北部の亜熱帯地域にあるディチュ河の高度が276mであるのに対して、寒冷気候の巧家県の山岳部の標高は4,040mに達します。
昭通市供電局は、厳しい天候にさらされやすい高山に渡された全長3,500kmにも及ぶ110KV-500KVの電線を管轄しています。4月から10月の間は、雷や雨も多く、電線や送電塔は落雷や洪水により故障が生じやすくなります。冬季には、凍結が送電網管理における大きな課題です。地図上で昭通市は金沙江路の地震地帯の真下に位置し、電線点検をさらに困難にしています。
安全性と信頼性
送電線の点検に用いるドローンの選定には安全性と信頼性が何より求められます。ここからはDJI Matrice 200シリーズがいかに点検作業に適しているかという点について紹介していきます。
送電線や送電塔の近くでは磁場が発生するものですが、DJI Matrice 210に搭載可能なビルトイン式のD-RTKモジュールにより磁場干渉の影響を受けることなく、センチメートル単位の高精度に飛行可能であるため、安定性と信頼性の双方を実現しています。
D-RTKを活用すれば磁場干渉や飛行精度といった課題を解決できる一方で、ドローンの飛行経験が十分にないオペレーターによる操作は依然としてリスクが伴います。 従来までのドローンによる点検と言えば、適切に撮影を行うために機体を送電線や送電塔に接近させなければなりませんでした。
30倍のズームが可能なDJI Zenmuse Z30カメラとMatrice 210の組み合わせにより、目標物から10メートル以上離れた位置からでも空撮ができるようになります。スクリーンをタップするだけで目標点が拡大されるため、ドローンによる点検作業の効率性と安全性の大幅な向上に寄与します。
温度計測
赤外線による温度計測を実施に際しては、高額画像と赤外線画像の両方を見比べながら作業できることが求められます。DJI Matrice 210のデュアルジンバルシステムにより、2台のカメラを同時に搭載でき、ドローンによる空撮点検作業員は必要に応じて作業中に画像を切り替えることが可能です。これにより、点検時の問題箇所の特定、診断工程にかかる時間を1塔あたり約10-15分短縮します。
厳しい環境下での点検作業に信頼性の高い飛行プラットフォームが必要不可欠であることは言うまでもありません。DJI Matrice 200シリーズは、その高い信頼性はもちろんの事、その拡張性や複数のインテリジェントフライトモードにより、これまで危険性の高かった人的な点検作業の改善にも貢献できる強力なツールです。
DJI Matrice 200 Series
昭通市供電局の供電局 副局長であるPing Qiu氏は次のように述べています。「Matrice 200シリーズは、桑電線点検、管理における要件を十分に満たしている事に加え、その優れた機能や性能が私たちに生産性向上を図る術を教えてくれているように思います」