Entrenamiento (トレーニング)
フランス人の道まであと1ヶ月となった。
巡礼の計画、移動手段や宿の手配も9割がた終わった。
あとは1ヶ月間毎日20〜30km歩ける体を作るだけということで、トレーニングを開始。
昨日と今日、Miño海岸まで歩いた。
(ミーニョ海岸)
ガリシアの冬の味覚、春の味覚に舌鼓を打っている間にすっかり体がなまってしまった。
イギリス人の道を逆行する往復20kmのコース。
20kgほど落ちた体重も8ヶ月で10kg戻したこともあり、久々に行った昨日のトレーニングは体が重く、辛かった。おまけに、先日買ったトレッキングシューズが少しきつく、左足の小指にマメが出来てしまった。
昨日はランチの後ソファに座ってテレビを見ていたら、突然両足が攣ってしまい参った。
それでも今朝も天気が良かったので、履き慣れたシューズに履き替え同じコースを歩いた。
昨日は往復1km15分のペースでもかなり辛かったが、今日は行きが1km13分、帰りが12分のペースで歩けた。
昨日激しく攣った左足の脛と太ももにまだ多少痛みがあるが、普通に20kmをこのくらいのペースで歩けるようになればOKだろう。
実際の巡礼では、その日の体調と天候次第でペースを調整すれば、1日の行程の予定が立てられる。
まだ体がびっくりしているので、あと1ヶ月天気の許す限りトレーニングを行い、毎日最低20km歩くのが普通の状態に持っていけばいいだけだ。
(イギリス人の道から見えるベタンソス)
昨日は6人の巡礼者たちを見かけた。みんな若い人たちだった。
今朝は、Betanzosから1時間ほどのところにある長い坂道で一人の巡礼者と出会った。
自分は下りで、彼は登り。
すれ違うときに彼が「ベタンソスまではあとどれくらいかね」とたずねて来たので、「1時間くらいです」と答えた。
彼が「Gracias」、自分は「Buen Camino」と言うと、彼は再びゆっくりと坂を登り始めた。
かなりのお歳とお見受けした。
腰は曲がっていないが、首が前に傾いているので胸を張って歩ける状態ではない。杖を握りしめ、ゆっくりと歩いている。
彼がどういう目的でこのイギリス人の道を歩いているのかはわからないが、あのペースで歩き続けたとしても3〜4日後にはサンティアゴ大聖堂にたどり着くだろう。
毎日何を考えながら歩き続けているのだろうか?
あの歳になっても、何か捨てたいものがあるのか、何か得たいものがあるのか、自分自身を変えたいと思っているのか?
自分も5月ひと月歩き続け、6月にサンティアゴに着いたときに何かを得ることができるのだろうか? それとも何も変わらないのか?
普通の旅行では得られない楽しみがそこにはある。