行列について8枚のスライドでまとめてみたら
行列は、ベクトルをベクトルに写します。ベクトルは、いわゆる矢印です。無限次元のベクトルや行列を考えると、実は微積分もこの枠組みに入ってきます。ただし、とりあえずここでは有限次元の実ベクトルや実行列を対象に話をします。つまり、実数の中で話をします。
ベクトルは矢印のことです。何か位置を表すとき、一次元なら横にいくつ、二次元なら横と縦にいくつ進んだところなのかを指定する必要があります。この数の組がベクトルで、つまりベクトルは位置を表します。
ベクトルの掛け算には、ドット積やクロス積があります。ドット積は平行な部分の掛け算、クロス積は垂直な部分の掛け算です。
行列は、ベクトルを並べた形をしていて、ベクトルをベクトルに写します。ひとつの成分が1で、他の成分が0であるベクトルを単位ベクトルと呼ぶことにすると、行列は単位ベクトルを行列の中に並ぶ各ベクトルに写す働きをします。つまり、そのように座標を入れ換える働きをしていると考えられます。
行列の性質を表す量として、トレースや行列式(determinant)があります。行列式は、行の各成分(横ベクトルの各成分)でばらして、ひとつ次数の小さな行列式に展開することができます。この際、展開する時の符号(プラスとマイナス)は交互になります。この行列式は、行列の中に並ぶベクトルの張る立体の符号付き体積になります。例えば、二次の行列式は平行四辺形の符号付き面積、三次の行列式は平行六面体の符号付き体積になります。
数の割り算が逆数で表せるように、行列の割り算も逆行列で表すことができます。
行列の性質をできる限り知りたい場合は、固有値・固有ベクトルを調べると良いです。固有値が分かれば、固有値を全て足したものがトレースで、固有値を全て掛けたものが行列式です。
行列の横と縦、つまり行と列を入れ替えたものを転置と言います。
転置すると逆行列になる行列を直交行列と言います。直交行列は、回転や反転を表します。
今回は行列について見てきました。最初に行列を見た時は、こんなに数をいっぱい並べて何が楽しいのか疑問に思ったものですが、今は結構楽しんでいます。