10月10日
「再びの忘れさせていくシステム」
10月7日(木)23時少し前、千葉を中心に東京にも大きな揺れが。
パソコンと向かい合っていたのだけれど、これは一体なに?
言うまでもなく、地震、です。このところ東京は地震があるんだよ、
いつだって、という意識から少し遠ざかっていたような。
結果、交通機関がとまったり、大幅に遅延したり、帰宅できなかったひとも。
社会には「忘れさせていくシステムがある」、「わたしたちはそのシステムにのらない」。
そう書いたのは、2011年の福島第一原発事故の直後に出た週刊誌の特集号だった。
が、先週の揺れの中で、改めて対峙、再確認させられた。
「忘れさせていくシステム」は、わたしたちの内側にもあるのだと。
わたしたちの外にもそれは確かにある。
わたしたちを支配する側、権力には意図的にそれを利用しようとする動きと力はある。
しかし、忘れてはいけないのだ、わたしたちの内側にもそれはある、ということを。
揺れの中で、原発はどうなった? とラジオとテレビに同時に耳を傾けながら、
同時にひとり暮らしのかたに、携帯で℡をしながらも思った。
翌朝、オーガニックな食べ物を集めた東京店の地下の野菜市場に
改めて「備蓄のコーナー」を提案。
この列島に生きていく限り、わたしたちは原発事故から、自由にはなれない。
一生、解放されることはない。子どもたちは選択さえしていないのに。
にもかかわらず、新政権もまたエネルギーは、
「温暖化対策を成長につなげる、クリーンエネルギー戦略」をすすめるという。
「クリーンエネルギー」とは再生可能エネルギーではなく、原発の再稼働であることは言うまでもない。
広島出身の、宏池会をべースとした首相に、期待するのは甘いか。
クレヨンハウスでも講演をお願いしたサーロー節子さんとは遠縁にあたるという
岸田文雄新首相である。
サーローさんも核廃絶への一歩を、岸田さんがしないで誰がする、とおっしゃっている。
で、10月23日(土)の朝の教室。講師は、2014年大飯原発に運転差し止めの判決を出された元福井地裁裁判長の樋口英明さん。
福島第一原発の過酷事故から10年たったこの春に『私が原発を止めた理由』(旬報社)を
刊行された。
だいたいは退官後に、弁護士事務所を開く方が多いが、樋口さんはそうではない。
「喫緊で最重要な原発問題に専念したい」から、とおっしゃる。
「究極の悲劇は善人の沈黙である」という、あのキング牧師の言葉に共感するとおっしゃっている。
忘れてはならない。
いまも「緊急事態宣言」は続いている。
『私が原発を止めた理由』 樋口英明/著 旬報社/刊
第125回 原発とエネルギーを学ぶ朝の教室|樋口英明さん講演会
オンラインチケットは上記からお求めください。