イメージが良いものを。
馬刺...といえば熊本。
こう思い浮かぶ人が多いと思います。実際、生産量も熊本が日本一です。
馬刺の生産量第2位がどこかというと、福島県です。
熊本の馬刺は馬が大きいので霜が降りやすく、福島の馬刺は駿馬タイプなので赤身であっさりしています。
ところで、もともと福島には馬肉を生で食べる習慣はなかったそうです。
それが日本を代表するような馬刺の名産地となったのは ... ?
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時は高度経済成長期。
1955年。
福島にある国民的ヒーローがやってきます。
力道山。
全国民が熱狂したプロレスラーで、アントニオ猪木の師匠にあたります。
会津市内のプロレス興行のあと、浴衣姿で生肉店に立ち寄り、店先に吊るしてあった馬肉をくれ、と購入し、持参した辛味噌で食べ始めました。
「あの力道山が」
「馬肉を生で」
「辛味噌で」
その話は途端に広まり、会津では馬刺を辛味噌で食べるようになりました。だから熊本の馬刺はニンニクや生姜醤油ですが、福島では辛味噌なんだそうです。しかも、あっさりの福島の馬刺は辛味噌がよくあうとのことで😊
当時の福島の人の気持ちになってみると、馬刺を食べながら幸せな気分になっていたことと思います。
食べながらあの大好きな「力道山」を思い出せるのですからね〜!!
お皿にとりわけては力道山を思い、辛味噌を用意して力道山を思う。
「よい食べ物」の考え方に、「よいイメージ」の湧く食べ物、というのもあるかもしれません。この食べ物は「体にいい」とか「ありがとう」とかだけではなく、「あの力道山が食べたんだ」とか。
話は変わるのですが、私はカレーに納豆をトッピングするのが好きです。
「えー!? 納豆!?」とちょっと受け入れられないという反応をされた時、「上戸彩もカレーには納豆のトッピングだって」と言ったら、「そうなんだ。やってみようかな」と受け入れがスムーズになった記憶があります。笑
私たちの毎日にはイメージが大きな影響を与えます。
今、この瞬間もそうです。
今私はどういう思いでそこにいるのか。
食べ物だけではなく、机の上に置くものも、小物も、スマホの壁紙も、触れるとよいイメージが湧くものを意識して用意することが、現代のような忙しい社会では必要な気がします。
L&R まつお