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雑談#2

2021.10.12 10:00

さて始まりました雑談シリーズ第二回。

今回も特に書きたいことは決めずに徒然やっていこうと思います。


と言っても最近はこれでもかってくらい家に篭りっぱなしなので少し昔の話、思い切ってけっこう昔の話を記憶をほじくりながらしてみようかと思います。


僕は大学生の頃からけっこう長い間庭劇団ペニノという劇団で演出助手をしていました。
ジャズトリオの生演奏に合わせて外科手術をしてみたり、劇場に本物の木で森作っちゃったり、普通に寝泊まり出来そうなくらい精巧な温泉宿のセット作っちゃったりと、なかなかにぶっ飛んだ劇団なのでもしよかったらチェックしてみて下さい。


当時周りの俳優に比べて出演する舞台が少なかった訳は演出助手としてこの劇団に相当入り浸らせてもらっていたからなんですけど、演出サイドの視点から多く演劇に関われて、多くの俳優さんの全然違うアプローチや役を作っていく過程を客観的に観られたのは今振り返るとめちゃくちゃいい経験だったなと思います。


さて、この庭劇団ペニノの海外公演で僕が大学3年生の頃にドイツのベルリンに連れて行ってもらう機会がありました。(出席に半分くらい目を瞑ってくれて、せっかくの機会だから行ってきなさいと言ってくれた大学の先生にはたっぷりとお土産をお渡ししたことはくれぐれも内緒だし、多分フィクションです。)僕にとっては初めてのヨーロッパで、しかも普通の旅行と違って毎日現地の劇場で異国のスタッフさんたちと顔を合わせて一緒に仕事をするってのが中々に刺激的な日々でした。


中でも印象に残っているのは現地のマティアスというスタッフのおじさんで、まだまだカタコト英語しか話せなかった僕にとてもよくしてくれて、僕が色々質問するもんだからドイツの舞台俳優は基本的に学校で俳優としての教育を受けていて、卒業後に劇場に雇われてお給料をもらいながらお稽古と本番やって暮らしてるんだよ。とか、スタッフも劇場に雇われてる人は作品と作品の合間に仕事が無い期間があっても保険みたいな形でお給料が入るんだよ。とかドイツの演劇事情を晩御飯食べながらビール片手に毎日沢山話して聞かせてくれました。(調子が良いとマティアスビール7リットルくらいいきます。)あとは僕が当時からめっちゃ好きだったドイツ人俳優のウルリッヒ・ミューエの話で盛り上がったりしてましたね。※ちなみにこのウルリッヒ・ミューエという俳優が主演している『善き人のためのソナタ』という映画はとてもオススメです。


すっかり現地のスタッフさんたちとも仲良くなり色んな話をする中で、ドイツ語は分からないかもしれないけどもし興味あったら今ベルリンでやってる作品で面白そうなのピックアップしてあげるから観に行ってみる?と言ってもらいフットワークだけには自信がある僕はホイホイとついて行きました。で、実際に舞台を観てみたらドイツ語は一つも分からないんだけど、俳優たちが舞台上で紡ぎ出すコミュニケーションの緊張感が凄まじかったです。ぐうの音も出ないくらい凄え俳優ばかりでした。


で、仲良しのマティアスにまじで凄えなドイツの俳優!!って興奮して話していたら「俺は俳優じゃねえからよく分かんねえけどよ、おっちゃんの知り合いの舞台で俳優やってる奴はとにかく「ちゃんと聴く」ことがまず第一に大事だって言ってたぞ。知らんけど!!HAHAHA!!!!」って言ってました。(マティアスは大阪人の僕からしてもビックリなレベルで知らんけどって言います。)マティアスおじさんにとっては何気ない会話だったんでしょうけど、劇場で凄えもん観たって思い出と共に僕にはとてもとてもその会話が記憶に残っておるのであります。


最近もお芝居するにあたってこの「ちゃんと聴く」ってことは物凄く単純だけど奥深いことだなあと考えたりもするんだけど、それはまた別の機会にお話することだな。

写真は闊歩するマティアスおじさんの横顔とお世話になった劇場ですね。

さて今回も特段オチも無く徒然とやってきましたが、そこは雑談ですからね。穏やかによしとしましょうや。今回の雑談を書きながらその後海外公演で訪れた色んな国での出来事を沢山思い出したので、また思い立ったら別の雑談シリーズでも触れてみようかなーと思います。


ではサヨナラ!!