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coffee01's ブログ

グアテマラコーヒーと古都アンティグア

2017.04.02 05:31

中米グアテマラ中西部、標高1,800mの高地に位置するアンティグアは、バロック建築の影響を受けた建物と植民地時代の教会が多く残り、世界遺産にも登録された美しい古都として知られています。その街を南北に挟むようにアグア山とフエゴ山の2つの火山が構え、のどかな気候と雄大な自然、多様な文化が織りなす古都独特の雰囲気が現代の喧騒を忘れさせてくれます。


雄大かつ広大な火山麓は陽当り良く緩やかな斜面となり、度重なる噴火による弱酸性の水はけの良い火山灰土壌、太平洋と大西洋に抜ける風の通りの良い気候により、世界でも有数のコーヒー生産に適した環境を形成し、現在では大小50を超える農園が営まれています。


北方に位置するフエゴ火山麓の緩やかな南斜面には品質評価の高い農園が多く、100年を超える歴史を持つ農園もいくつか存在します。収穫作業が容易な立地、水質の良い鉱山水、天日干し乾燥に適した日照時間や広大な乾燥場など、訪れるコーヒー関係者を納得させる環境がそこにはあります。

味わいは、切れの良い強めの酸味と澄んだ芳醇な香りが特徴です。水温が低く気温が安定しているため時間をかけた発酵と天日干しを行う必要があり、結果的に非常に丁寧に加工された生豆は加工負荷が少なく濃緑色となり、外観だけでもその品質の高さと美味しさを連想させる仕上がりになっています。


「低温でゆっくりと深煎り」にするとシャープな酸味を活かした「クリアなコク」と「高い香り」が期待できます。我々が普段楽しんでいるコーヒーそのものの味は興味深いものですが、味を形成する自然条件や加工過程、そこで働く仲間を知ると、味、香りにイメージが加わり3次元的な味わいになること間違いなしです。

雄大なアグア火山。陽気な気候と雄大な風景が訪れる者を大きく包んでくれる。


古都アンティグの街並み。街中に修道院や教会の遺構が多く残る。

シェードツリーが印象的なコーヒー農園より南方のアグア火山を望む。

シェードツリーに覆われたアラビカ種のコーヒー樹。直射日光を避け、かつ乾燥した環境で病害もなく毎年高品質コーヒーが生産される。

コーヒー農園より北方のフエゴ火山を望む。過去数百年で度重なるう噴火で酸性化も弱まり、樹木が多く茂り腐葉土が多い農園。火山の白く見える頂は今でも時折り噴煙を上げる。

アラビカ種の苗木。収量や病害への耐性から、カツアイ、カツーラ種が多いが、味の良い原種のティピカ種も増える動きもある。

収穫後のコーヒーチェリーを農園併設の水洗処理場で、水洗と比重選別する。

水洗式で比重選別された良質なチェリーは皮むき機でパルプを除去する。

デパルピングされた豆は果肉の糖分を含むぬめりが残る状態。不純物を振るいにかけ最終水洗工程へ流される。

きれいな湧き水で念入りに洗い流され発酵槽へ。


きれいにメンテナンスされた発酵槽では気温により24-36時間熟成される。この熟成工程がコーヒーの深みを出す最も重要。発酵させ過ぎると所謂ファーメンテーションと呼ばれる腐敗臭となる(一般の方にはフルーティーと見分けがつきにくい)。

サンドライパティオ、所謂天日干しの乾燥上。果肉のぬめりをしっかりと洗浄できている豆は白く、処理不足や過剰発酵の場合は少し茶褐色がのこる。乾燥工程は通常5-7日程度。中米の収穫期では少ないが、雨が降るとカビ臭の原因となる。

乾燥場はコンクリートの打ちっ放し。きれいな風味は綺麗な湧き水での水洗いと清掃メンテナンスが効いた発酵、乾燥、保管場、時間をかけた丁寧な加工からくるもの。