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草原のコトノハ

3月17日

2017.04.03 02:02

ずっと・・・

生きる意味を探していた。

どこかに、なにかに・・・

自分の生きる意味を

ずっと。


見つけにくく

はぐくむに難しい生きる意味を

きみは生まれ落ちたその瞬間から

母さんに与えた


泣くことで

腹をすかせることで

わがままを通すことで

心配させることで

悩ませることで

泥水の中をもがくような毎日の中

気づけば きみは

母さんの生きる意味になっていた



背中いっぱいにせおっていたランドセルが

いつの間にか小さくなっていた

「行ってきます」

の声と閉まる扉に向かって

「どうか無事に帰ってきますように」

と 祈る朝をどれほど

どれほど くりかえして

今日の日を迎えただろう


母さんのものにならぬように

気をつけていたけれど

きみが褒められれば

嬉しかった

きみがけなされれば

傷ついた


迷える昼下がり

途方に暮れた夕暮れ

眠れぬ夜

それでも新しい朝は来た


きみを思い 心を砕くこの日々が

母さんの生きる意味となっていた



どうか

こどもたちよ

生きてほしい

この世に生きるすべての人は母から生まれる

みんな生まれながらにして

誰かの生きる意味になっている


力強い

いのちの鼓動をたずさえて

誰かの生きる意味になっている