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MilezaWorks / ミレザワークス

レザークラフトのススメ(3)

2017.04.04 03:55

前回の内容(必要な道具)

以下に、パスケース(定期入れ)の制作手順を画像と共に説明していきます。


(1)型紙を切り抜く

まず型紙を印刷します。

A4サイズのpdfファイルはこちらから。

私は普通のコピー用紙や厚めの型紙にしたい場合は画用紙に

インクジェットプリンターで印刷しています。

型紙の外形と切り抜くスライド窓部分をカッターで慎重に切っていきます。


(2)けがき線を描く


革の上に型紙を置き、ずれることのないように手で押さえながら

目打ちでけがいていきます。(線をつけていく)

床面(革の裏面)にけがいても見えにくいので、

銀面(革の表面)に線を引いた方がやりやすいです。

革がクロム革だと線が見えにくい場合があります。そういう場合は

銀ペンを使うといいです。ない場合は極細のネームペンでもできます。

ただしその場合はけがき線が残らないように裁断すると出来栄えがいいです。

ペン跡は擦って消そうとすると銀面にこすれ跡が残るので注意が必要です。



(3)裁断

パーツをたくさん切り出すときは粗く裁った後から細かく調整をしますが、

小さいパーツですのではじめからきちんと裁断します。

直線が多い外形は定規を当てながら切ればよいのですが、

スライド窓の部分のRが、裁断で一番難しい部分です。

こちらは1.5cmの丸ポンチで両側を抜いてから、二本の直線でカットして抜くと

きれいにできますが、ポンチがない場合はフリーハンドで細かく丸を切ります。

その際はカッターの刃をなるべく立てると切りやすいです。

(アートナイフや角度の小さいカッターが小回りは効きます)



(4)コバ(切り目)の処理

スライド窓は革をはり合わせたあとではコバ磨きしにくいので、最初に実施しておきます。

コバは少し濡らした布切れで擦るだけでもきれいになります。

トコノールやコバ処理剤をお持ちでしたらそれで磨いてあげます。

次に革の表と裏を貼り合わせます。

それぞれの床面の入れ口を除いた3辺に、5mm程度の貼りしろでボンドかゴム糊で貼り合わせます。

ボンドもゴム糊も少し乾いたかな?という頃合いを見計らって接着します。



(5)縫い線引き

角は交差するので、端まで引きすぎないようにします。



(6)穴あけ

ヒシメ打ちで穴をあけます。(写真では無いですが、下にゴム板を敷きます。)

初心者のときはここが一番悩みました。

貫通させるのか、裏面の革も別個にして穴をあけるのか。

人によってやり方は色々あるのですが、私は表面から貫通させてしまうくらい

縫い穴をあけた方が、縫う際に無駄な力を入れないで済むと思っています。

穴が小さい場合、針を通すとき指先に負荷がかかります。

細い目打ちで穴を広げてから縫う方法もあるのですが、

初心者のうちは針と目打ちの持ち替えがとても大変です。

よって、最初から大き目の穴をあけるほうが効率的です。

この辺りは作品をたくさん作るうちに自分のスタイルが確立され、

やりやすい方法と縫い目のコツがわかるようになると思います。

ここはかなり深い部分で、きっといつか課題になったりするかもしれません。

きれいに作るためには角や終端の位置決めが揃っているとGOODです。

実は私は作例で角から一つ目の縫い穴位置を失敗しています。

縫い目の均等さは直線ではとてもよくわかりますので、なるべく等間隔に

見えるようにすこしだけ菱目打ちをずらすなどして、一辺に収まる

縫い目の数を調整する必要があります。



(7)縫う

ここはたくさんの指導本に載っているので記載は割愛します。

平縫いがいいですが、最初は波縫い

(スタートから終端まで波のように縫っていき、また再びスタートに戻ってくる縫い方)

でもOKだと思います。


自分で作ったレーシングポニーに挟んで縫っているところ。

これは一本の糸に二本の針をつけて縫う平縫いです。

針を二本とも交互に通したら糸をぎゅっと引き締める方法です。


ぐるっと3辺を縫い終わったところ。

右下の縫い目が始点、右上の縫い終わりが終点です。

どちらも端は二重で縫って入れ口を補強してあげます。


かなりざっくりで記載していますが、

最後はもう一度全体のコバを整えてできあがり。

コバに縫い糸の補強部分がでているので、ここは磨くときに邪魔になりますので、

上のようにL字の終点の縫い方をしなくてもOKです。

強度の面でこうして留めた方がいい場合もありますが、手縫いはやはり丈夫なので、

ここまで補強しなくても二重留めだけで十分な場合もあります。ここはお好みです。

自分で作れた!これって結構うれしいですよ~。

レザークラフトに興味があるという方は、

とにかく一度、小物を作ってみるといいですよ。

Let's try!です。