馬革のわけ vol.2
そんな馬革とスタートすることに決め、さらに革屋さんと馬革について話を掘り下げる機会がありました。
その時に聞けたお話が「馬の革を開発していきたい」・「そのタンナーさんと取り組み技術の向上をはかりたい」ということでした。
この話を聞いた時、参加して共にいいものを世の中に出していきたいと思いました。
そこには革屋さんの想いと、タンナーさんの想いがきちんと存在していると感じたからです。
日本には馬革を輸入しているタンナーは2社しかありません。牛革より断然数が少なく、さらにはヨーロッパの食肉文化あっての革たちです。
そして馬革のメインは臀部の革“コードバン”です。まずはじめにここを取ってしまいます。
繊維が細かくしなやかで強い部分なのでランドセルやメンズのベルト・財布に使用されたりしています。
そのあと残った部分の革たちの個性は意外と追究されずいます。沢山あるわけではないから開発しても仕方がないという発想かもしれませんが…。
しかし、革として出会ったのだから個性を出してあげた方がいいのでは?というのがこの革屋さんの想いです。
タンナーさんも研究をしていきたいという意志を持っています。わたしも開発に携わり商品化していきたいと強く思いました。
これはタンナーさんの継承にも関係してくるお話でもあります。
今まで培ってきた技術や方法論を少し変えたり、また加えながら進化させることで新たな道が開けてくるということ。
仕事って“個人”ではないし、個人では何も完結しません。個々が共に話し合い、協力し合い、時々しょっちゅう意見がぶつかり切磋琢磨し、その中で、ひとつひとつ完成させていけるものだと思っています。
タンナーさんと、革屋さんと、メーカーさんと、わたしのものづくり。
そこに自分自身のやりがいを感じていますし、エネルギー源の一つであることに間違いありません。