20110831 第6回新横浜ユーザビリティ研究会 hcdvalue特集
※このメモはイベント当日のメモを元に、社内報告会用に書き直したものになります。
ずいぶん前の振返りで恐縮ですが、第6回新横浜ユーザビリティ研究会に参加しました。
テーマはhcd value特集。UX白書やISO9241-210を翻訳が聞けるということで、これは押さえておくべきでしょう!と思い参加しました。
様々な解釈で語られてきたUXをきちんと定義するべく、ドイツでUXセミナーが開催されました。
30人の専門家が集まり、約3ヶ月の時を経て完成したのがUX白書。
それをhcd valueの方々が翻訳し、その内容をご紹介いただく、というのが今回の内容です。
何に対して「価値」を感じるかは人それぞれのように、UXも人それぞれ固有のもの。
その人がこれまでどういった経験をしてきたか、どういう背景でシステムを利用するかを考えないと、適切なUXは提供できないということですね。
また、UXはブランド経験や消費者経験、顧客経験とも深く関わりがあり、相互に影響し合っているというお話もありました。
私は特定のお店ばかりで買い物をしてしまうんですが、根底にはそのお店での経験がある気がします。
知っている店員さん、お店の雰囲気、におい、安心感などなど。そこで築き上げられた経験は、自分の行動に大きく影響しています。
次に、UXの3つの視点についてお話がありました。
「Experiencing」
ある経験の中で、ユーザーの感情がどのように変化したか?という個人的かつ動的な性質を重視すること。
「A User Experience」
個人もしくは集団がシステムを利用したとき、どのような結果となったか?という経験の「全体的な意味」を示し、経験の結果や記憶を重視すること。
「Co-experience」
集団がある状況下でどのような行動をするか、どのような態度をとるか?という社会的構造における集団の行動や態度を重視すること。
文章で書くと抽象的なので、メモにあるような絵で解釈しました。
また、UX自体も期間(時間軸)で内容が大きく異なります。
UXについて議論するときには、どこに焦点を当てているかを明確にすることで、適切なUXについて議論することが可能になる、とのことでした。
具体例で考えてみると、瞬間的UXが一番重要なのではないか?と思いました。
というのも、エピソード的UXや累積的UXで経験を振返る際に、良い瞬間的UXを提供できていなければ、結果的にマイナスの判断になりかねないと感じたからです。
また、なにも問題なくタスクをクリアできたときというのは記憶に残りづらくなってしまいます。反対に問題解決が出来なかった場合にはいつまでも記憶に残り、エピソード的UX、累積的UXに大きな影響を与えかねません。
システムを利用中のユーザーに、適切な瞬間的UXを与えられているかどうかはきちんと検証する必要がありそうです。
UXに影響をもたらす要素として、システムとユーザー以外にもコンテキストはとても重要です。
先日美容師さんに「iPhone、外だと全然画面見えないよー!」って言われましたが、それもコンテキストの一つですよね。
「どのような状況下でユーザーが利用するか」を考えられていなければ、想定したUXは提供できなくなってしまいます。
最低限想定できるコンテキストはうまく把握していきたいですね。