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フィリピン合宿レポート二日目(常石チーム)

2017.03.15 08:10

本日はADB年次総会でのプレゼンテーションに作成のためにフィリピン、セブ島西部に位置するバランバンへインタビューに向かいました。バランバンという町は23年前に常石グループが造船のために選んだ新天地です。

バランバン前町長のアレックス氏、現市長のエース氏、アボイティスグループ会長のアボイティス氏、THIの三島社長にお話を伺うことができました。


初めに前町長のアレックス氏と現市長のエース氏へインタビューしました。お二方ともTHI(Tsuneishi Heavy Industries:常石グループがバランバンで経営する造船会社) によって、バランバンが発展したことを語ってくださいました。

バランバン前町長がおっしゃっていたことの中で印象深かったのは、街の成長を示唆する次の言葉です。

“After THI came in to Balamban, the population grown up doubled, and the income of Balamban increased dramatically. There was only fishing and unemployment rate was high. We needed new job, new industry. The town consumed one pig a day before THI came but now 30-40 pigs being traded everyday.”

「THIがバランバンで事業を始めてから、人口は2倍になり町の収入は大幅に増えました。漁業しかなく、仕事や事業が必要だった町に新たな雇用が生まれました。一日に取引する豚の数は1頭だったものが30-40頭に増えたのです。」

この言葉は常石造船がバランバンで造船業を始める以前には失業率が高く、街の仕事が足りなかったことを顕著に表していました。そこへ常石造船が造船業という労働集約型の産業が進出してきたことで雇用が生まれ、生活の質が向上したことを語ってくださいました。


午後にバランバン町から出発し、セブ市にあるアボイティスグループのオフィスに向かいました。

アボイティスグループは常石グループのビジネスパートナーであり、常石グループがフィリピンに進出した際に様々な場面で手助けしました。アボイティスグループは日本でいう三菱グループと同規模であり、セブ市を始め、フィリピン全体に大きな影響力を持っています。私たち芦澤ゼミはアボイティスグループのオフィスを訪問し、会長のアボイティス・ジョン氏に直接インタビューすることができました。短時間ではありましたが、とても貴重な話を聞かせてもらい、大きな学びを得られました

私たちはアボイティス氏に常石造船所をビジネスパートナーとして選んだ理由や、経営理念などについて様々な質問をしました。彼の話の中で印象的だったことは2つあります。

一つ目は、彼のフィロソフィーです。彼はこんなことを言いました。

“Our philosophy is that we give every year some percentage of our profit, it goes to the community in where we are responsible business means adding values to the community. How do you add values to the community? You add values to the community by being a good employer, employing people, and paying taxes. OK? And then you give back to the community by its needs whether its schools, et cetera…”

「我々の経営理念は毎年利益の何割かを地域コミュニティに還元するということです。企業の責任はコミュニティに価値を与えることだと考えています。それはつまり、自社が優秀な従業員を雇い、税金を払うことで、利益を還元し、地域コミュニティに対して価値を創造することです」

我々ゼミ生はアボイティス氏の言葉に感銘を受けました。まさにそういうことでした。会社を経営し、儲かる分を分配して、コミュニティに貢献するべきです。それができる企業がきっと成功すると言えるでしょう。

そして二つ目。私の心に残っている彼の言葉は「パートナーを組むときに、最も大事なのはパートナーを信じること」です。パートナーを信じないと何も成り立たず、それは成功とは言えないのです。アボイティスグループと常石グループの信頼関係ができたのはやはり常石グループの長い歴史や両グループに共通する経営哲学などが要因であると思います。


このインタビューを通じて、海外に進出する企業にとって信頼できる強力な現地のパートナーがいることの重要性、また、企業がコミュニティに価値を創出することが長期的な経営をしていくために不可欠であることを感じました。


最後はTHIの三島社長にインタビューに伺いました。THIの始動に至るまでの経緯や始動後の軌跡、日本とは違う現場での苦労、THIが行ってきた社会貢献などについて伺うことができました。セブにおいて日本国内での造船と変わらないジャパンクオリティーで造船をするための試み、またそれが実現することができたとの話は興味深かったです。

中でも印象に残っているのは、THIが行ってきたバランバンへの社会貢献についてです。バランバンマーケットや学校、病院などの建物の寄付、学生への奨学金、植樹、災害支援など多岐にわたる社会貢献を行ってきたことをお話し頂きました。

インタビューを通じて、THIがバランバンの町に根付いて活動してきたことが強く感じられました。



本日は、プレゼンテーションの強力な材料を得ることができて非常に密度の濃い最高のフィールドワークとなりました。明日も引き続きバランバンにて現地調査を行います。