「宇田川源流」 今も原子力とドローンの技術が狙われているので暗躍するスパイに注意
「宇田川源流」 今も原子力とドローンの技術が狙われているので暗躍するスパイに注意
映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」が、007シリーズの最新作として現在公開されている。私は、少なくともこの内容を書いている時には、まだ見ていないのであるが、なかなか興味深い内容になっているのではないか。
オフィシャルサイトの中にある「ストーリー」の改札には「ボンドは00エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。しかし、CIAの旧友フィリックスが助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。」と書かれている。007シリーズは、基本的にスパイの物語なのであるが、だいたいの場合はイギリスが何かを仕掛けるのではなく、敵国や悪の組織が盗んだ最新技術や宇宙技術または最新兵器を破壊し、平和を守るというようなストーリーになっているのである。
以前にも書いたが、この前の作品の時に、本物のMI6の職員と話をする機会があった。もちろん身分などは明かすことはできない。その人に、「007なんかは見るのか」というくだらない質問をして見たところ「非常に面白いし、痛快であって、毎回楽しみにしている」というのである。そのうえで「本物のMI6の仕事は007みたいな感じなのか」と聞いたところ「まさか」と一笑に付された。
彼曰く。「スパイというのは、基本的には相手にばれないで情報をもって売る役目である。パリのど真ん中でカーチェイスなどをやり、北極で基地を爆破するなんてことをしたら目立ってしょうがないだろう。その時点で他の国に、イギリスが動いていることが知れてしまうから、当然にミッションは失敗というようになってしまうんだよ。そもそも、我々MI6は銃の携帯許可もないからね」といわれたのを思い出す。
実際にスパイの話と007が全くかけ離れているから、痛快な活劇としてみることができるというのは、かなり頷ける話だ。しかし、逆の見方をすれば、本物のスパイは、それらの内容をすべて秘密裏に行ってしまうということであり、その内容はほとんど見ることができないということになる。いや、成功率がどれくらいかはわからないが、スパイをしたことそのものが報道されることはないということなのである。
米海軍技術者と妻をおとり捜査で逮捕、核機密を外国に売ろうとした疑い
(CNN) 米メリーランド州の夫婦が米国の核に関する機密情報を暗号通貨と引き換えに他国に売ろうとしたとして、米連邦捜査局(FBI)に逮捕された。
司法省の発表によると、逮捕されたのは米海軍の原子力技術者で最高機密を扱う立場にあったジョナサン・テーベ容疑者と、妻のダイアナ容疑者。米原子力潜水艦の設計に関する情報を売り渡したとして、9日にウェストバージニア州でFBIと海軍犯罪捜査局に逮捕された。夫婦が情報を売った相手は、外国政府の代理人を装ったFBIの覆面捜査員だった。
テーベ容疑者は、海軍の原子力推進技術や「原子力軍艦の原子炉の運転値や性能特性」を含む軍の設計情報などを入手していたとされる。
FBIによると、テーベ容疑者が外国政府に対して核機密の提供を最初に持ちかけたのは2020年4月。FBIの覆面捜査員が数カ月後、暗号化された電子メールプログラム経由で返信し、同容疑者とやり取りを交わした。覆面捜査員を信頼したテーベ容疑者は、数千度ドル相当の暗号通貨と引き換えに、情報を売り渡すことに同意したとされる。
FBIはテーベ容疑者の信頼を得るために、米首都ワシントンで相手国の外交拠点がある建物に目印を置くなどして作戦を遂行。ウェストバージニア州の事前に決めておいた場所に、機密情報の入ったSDカードを置いたテーベ容疑者と妻のダイアナ容疑者を9日に逮捕した。
両容疑者は、米国に危害を加え、外国を優位に立たせる目的で別の人物と連絡を取り、情報を伝達しようとしたとして、機密情報の共有を禁じた原子力エネルギー法違反の罪に問われている。
2021.10.11 CNN
https://www.cnn.co.jp/usa/35177862.html
要するに、スパイは「失敗して逮捕された時」に初めて報道されるし、また、報道などを通して我々の知らされないところで、様々なことが起きているということになる。実際に情報を取られてしまったということに関しては、確かにスパイなのだから、何も残さずに行くのかもしれない。しかし、もしもその人がスパイだと思っても、そのまま泳がせてより大きな組織をとらえようとしてしまい、そのままマスコミなどに漏れないということもあるのではないか。
そのように考えると、今回の内容は、「この時点、つまり「持ち出した時点」で逮捕したということになるので、その後ろの背景組織が見えない状況になっている。これは背景組織を見つけることができなかったのか、あるいは背景組織が出てくる前に、逮捕してしまったのか。その辺の事情はよくわからない。また、場合によってはこの「情報を売り渡す相手」ではなく、この犯人の方から秘密をもって近づいた可能性もある。そのように考えれば、同時手この時点で逮捕したのかということはよくわからない。いずれにせよ、この相手国は、どこなのか、アメリカのFBIは当然にそのことがわかっているものの、そのことを表に出さない報道しかしていないということになるのであろう。そのうち、時間をおいて出てくるということになるのである。
さて、今回のものを見てもわかるように、ここに書かれているものは「海軍の原子力推進技術や「原子力軍艦の原子炉の運転値や性能特性」を含む軍の設計情報」<上記より抜粋>というような形になっている。つまり、そして、自分から外国人に扮したFBIに接触して逮捕されたということであろう。
さてこれらの軍事機密または軍事転用技術という物は、そのほとんどが、敵国または潜在的な敵国において「軍事転用」されることになる。そして、「敵国」なのであるから、その軍事転用したものは、当然に、その国に対して使われることになるのである。つまり、このスパイは「機密情報の共有を禁じた原子力エネルギー法違反の罪」に問われているようだが、実際のところは無差別の大量殺人に近い状況になるということになり、国家反逆罪になってもおjかしくはない。しかし、大概のこれらの人々は、「そこまでの認識はなかった」とか「金のためにやった」など、命などと引き換えるような金銭徒歩ではないモノを売ってしまっているのである。
まさに「物事の価値がわからない」ということは、そのようなことにつながる。そして、その「わからない」人を、うまくだまして使うのが敵国のスパイなのである。
このスパイの事件は「アメリカの事」かもしれないが、日本でも同じことが行われていると考えるべきではないのか。