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やよいの日々

時雨

2021.10.19 00:13

今朝も時折パラパラと雨粒が落ちてきます。通勤の人々も、傘をさす人ささぬ人バラバラ。晩秋から初冬にかけて不意に降りかかる雨を時雨と言います。

季節的には少し早いのでしょうが、昨日からの冷え込みでは、時雨と言うのが似合いの雨です。古来時雨は詩歌や俳句には欠かせないテーマ。風雅なもののようで、様々な呼び名があります。降る時間帯によって、朝時雨、夕時雨、小夜時雨など。

でも、実生活では季節の移ろいに心細さを感じる空模様。昨日の晴天が嘘の様で落差の大きいこと!。

芭蕉には時雨を詠んだ名句が多くありますが、旅の人芭蕉にとって時雨は身に沁みるものがあったのでしょう。

傘をさしたりつぼめたりの散歩道に、山茶花が咲いていました。

 旅人と我名よばれん初しぐれ    松尾 芭蕉

 初しぐれ猿の小蓑をほしげなり   松尾 芭蕉

 化けそうな傘をかす寺の時雨かな  与謝 蕪村

 人恋し杉の濡手に霧しぐれ     加舎 白雄