辻井伸行さん「音楽と絵画コンサート」まるで全てがアンコール😭✨
ドビュッシー生誕150年のころ、パリ郊外のドビュッシーの生家を訪れたり、ドビュッシーと印象派の美術展もチェック、電話は滅多にかかってきませんが、『アラベスク第1』が着信音となっています。ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』は、私の走馬灯BGMにしたいほどです。(笑)
印象派については、NY、Paris、London、Tokyoの美術館、モネの庭やゴッホの終焉の地まで訪れました。なので今回の辻井さんの企画は、まさに私のひとり旅の集大成のようで、走馬灯のように思い出が駆け巡りました。
会場の照明は日没を迎え、ピアニストの座る席には、月の光が照らされていました。しかし辻井さんにとっては、いつものままの世界です。純粋に私たちに、辻井さんの表現したい音を響かせるだけです。
私の着信音である『アラベスク第1』がはじまりました。固唾を飲んで最初の1音を待ちました。辻井さんの最初の一音は、いつも鳥肌が立ちます。ルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』とともに。まるで夢の中にいるような…。ポワーンとしてしまいました。(笑)
ドビュッシーの『映像』第1集は、葛飾北斎、歌川広重の絵が映し出されました。浮世絵は、雨が線で描かれているところや波の表現が、印象派たちの概念を覆したという話を聞いたことがあります。
ドビュッシーと印象派の画家たちは知り合いで、互いにインスピレーションを与えていました。
オルセー美術館にワープしたかのようです。光と影が美しい印象派の絵を鑑賞しながら、ライブで辻井伸行さんの演奏会にいる自分を想像したことはありません。気づけば1番理想的な形で、アートとピアノを味わっているではないですか!
後半は、サティ『ジムノペディ』からです。リストに比べたら簡単すぎるんだろうな。(笑) だからとても贅沢に感じられました。
スクリーンには、浮世絵から影響を受けたというクリムトの不思議な平面的な女性たちが重なり合っている絵など、ジムノペディのループな世界に没頭しました。
そして、ラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』は、モネの『散歩、日傘をさす女性』とともに。YouTubeにも辻井さんのサントリーホールでの演奏もあります。これを何回も聴いていたので、ライブで聴ける日を心待ちにしていました!
しっとりした中にも、王女の宝石や笑顔が輝くような、キラキラした音色がいつまでも心の中に響く、アンニュイな感じが非常に好みです。
この曲を人生の最期に流したい。でも今回、改めて気づきましたが、「王女」なんですよね。だから自分のことを王女だなんて、ちょっとおこがましいような気もしてきました。(笑)
ラヴェルの『水の戯れ』、モネの『睡蓮』とともに。水の流れがいったりきたり、渦を巻いて吸い込まれていったり、さらさら、ぷくぷく。
夢のような時間だったなぁと思ったら、アンコールが、ドビュッシーの『夢』+ルドン『目を閉じて』からのドビュッシー『喜びの島』。I’m speechless! 全てがアンコールのようなコンサートでした。
そして拍手が鳴り止まず、アンコール後3回くらい、出たり入ったり。辻井さん、お茶目に弾く素振りを見せました。
いまFacebookファンページをチェックしたところ、小○元総理もいらしていたらしいです! 同じく「感動した!」でしょう。(笑)