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退屈と惰性と 改

ZWR プロトビーストライガー レビュー

2021.10.21 06:31

 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド列伝 より、

“ZWR03 プロトビーストライガー” です。


 “ゾイドワイルド ZERO” より、主人公、レオ・コンラッドの相棒であるビーストライガーの初期形態、

“M型 ライオン種 プロトビーストライガー” が、

列伝シリーズで発売されました。


 ディアス中佐のワイルドライガー、アルドリッジのファングタイガーときて、次はきっとあれだろう・・と思っていたら、まさかのプロトビーストライガー。

 まったくの予想外でした。

  レオ自らが発掘し、独力で復元したビーストライガー。

 信頼関係は築けていますが、ライガー自体はゾイドとしてはまだ不完全な状態でした。

 謎の少女、サリーと出逢い、彼女の持っていたペンダントの光を浴びることでライガーは真の姿を取り戻し、そして物語は動いていく・・

 まさに、99年のアニメ第1作を思わせる始まりでしたね。

 まぁ、始まりはワクワクしたんですけどね。

 なんだろうな? 

 結局のところ、主人公のレオにさほど強い印象がないというところがすべてかもしれない。

 周りに濃いキャラが多かった(中のヒト的にも)から、そういう意味では気の毒だった気もするけど・・

 それではレビューしてきます。


ボーン復元

 またネコ科・・というのが正直なところではあります。

 でもまぁ、今のところがこれが最後かな。

 今回は第1弾のディアスライガーと違ってブラストユニットとその連動パーツを組み込むことになるため、頭部が下がりっぱなしということはありません。

 その他、パーツの造形は通常のビーストライガーから変更はありませんが、成型色は本体がシルバーグレーに、牙や爪が(公式いわく)ブラウンゴールドになり、あばら部分と四肢のシリンダーが塗装済みとなっています。

 セピア調というのか、発掘されて間もない感じというか、なかなかにいいカラーリングだと思います。

 

復元完了

 外装その他を装着して、一応の復元完了。

 通常版のビーストライガーの外装パーツを流用しつつ、新規パーツを多数投入して初期状態のビーストライガーを再現。

 外装は頭部と前脚のみ、背部には大きな試作型ジェットブースターを背負っていますが、下半身はボーン剥き出しというアンバランスな外見です。

 アニメ前作およびキットのファーストシリーズに登場したゾイドたちとは明らかに雰囲気が違う、わりと地味なメカっぽさに今度のアニメはこういう方向性でいくのか、と思ったものでした。

 そのときは期待したんですけどね・・(しつこいww)


 では、各部を見てきましょう。

頭部

 外装は基本的に通常版からの流用ですが、成型色が変更されています。

 赤かったパーツは牙や爪と同じくすんだブラウンゴールドに、白いパーツもアイボリーに近い色合い(公式いわくにウォームホワイト)なっています。

 また、頬のタテガミのうち下側のパーツがなく、接続部には新規造形のパーツで蓋をするようになっています。


脚部

 外装は通常版と違ってフィンのない、1パーツのみのシンプルな新規造形。

 装備するのは前脚のみで後脚は先にも言ったようにボーンパーツが剥き出しです。


背部

 ブラストユニットはそのまま組み込むみますが、タテガミクローはなく、その接続部にはやはり新規造形のパーツで蓋をする格好になります。

 蓋パーツは、劇中でいろいろ道具を入れていたコンテナボックスということですかね。全塗装になっています。

 また、クローがない代わりに(?)、ユニットの左右側面に試作型のジェットブースターを1基ずつ装備。

 ブースターの成型色は外装よりもさらに濃いめのアイボリー、スラスター部分は塗装されています。

 ジョイントパーツを含め3㎜軸接続で、自由に角度変更が可能です。


 なお、ワイルドシリーズのゾイドとしては初めて設定上ブラストギミックが搭載されていません。

 ブラストユニット自体は組み込むことになるのですが、完全には復元できていない、ということなんでしょうね。


 というわけで、今回付属する新規パーツは以下の通り。

 ディアスライガー、アルドリッジタイガーでは改造武器等既存のキットからの流用パーツもありましたが、今回の追加パーツはすべて新規造形になっているので新鮮です。

 ただまぁ、アルドリッジタイガーでも感じたことですが、ブラストユニットが2種類付属するディアスライガーと較べると若干の割高感はありますね。


 ちなみに、通常版のビーストライガーのパーツも成型色違いですべて付属するので、ビーストライガーのカラバリとして組むことも可能です。

 これはこれでシックな装いで格好いい。

 もちろん、この状態なら進化解放(エヴォブラスト)形態にも変形可能です。

 タテガミクローが1色なので、ちょっと地味ではありますけどね。


 なお、タテガミクローと試作型ジェットブースターは干渉しないようになっているので、同時装備も可能です。

 わりとまとまってますね。


電動ギミック

 ブラストユニットおよびその連動パーツをそのまま組み込むので、基本的な動作は通常版と同じです。

 つまり、4本の脚で前進する過程で段階的に頭部(首)が下がっていき、最終段階までくると口の開閉が連動するようになります。

 しかし、もうすでにお気付きでしょうが、それだけではありません。

 ブラストユニットがそのままなんで、普通に連動ギミックが作動してしまいます。

 通常版ではタテガミクローを取り付けている基部が、ずーっとカシャンカシャンと上下に動き続けるんですよね。

 なんだろう? ここはなんのために動くんだろう? ちょっと理由が思いつきません。

 ブラストユニットを流用してしまったがためにこのように頭を悩ませる事態に・・

 もういっそギミックのないダミーパーツにすればよかったのに。


 せっかくなので、通常のビーストライガーの状態でも。

 基本動作は一緒。

 前進と同時に頭が下がっていくのですが、2段階下がった時点で早くもエヴォブラスト。

 そして最終4段階目でタテガミクローが伸長したエヴォブラスト第2形態に移行。

 その後はその伸びた状態のクローを上下に振りながら前進を続けます。

 もちろん口も開閉するようになります。


 ちなみに、前回のアルドリッジタイガーもそうだったんですが、この口の開閉がなかなか上手く連動してくれませんでした。

 本来頭部(上顎)パーツ自体の重さで自動的に口が閉じるはずなのですが、開いたまま閉じない。

 要は、可動部で摩擦が発生してしまうんですね。

 金型が酷使されたことによってごく微少な造形のムラが出てしまったのか、原因はよくわかりませんが、軸を削ったり、パーツの合わせを少し緩くしてみたり、あれこれ試してなんとか引っかからずに開閉するようになりました。

 ディアスライガーではそんなことなかったので、列伝のネコ科全部がそんな感じということではなく、あくまで個体差なんだと思いますが・・

 連続で当たっちゃったのかな?


比較画像

 通常版のビーストライガーと。まずボーン形態で。

 造形は共通で成型色の変更と塗装の有無以外の違いはありません。

 あらためて、通常版の牙や爪の成型色は残念な感じですねぇ・・


 外装を装着して。

 通常版と並ぶとプロトライガーの未完成完が際立ちます。

 そしてやはりメカ要素が強い。

 レオ個人が修復したプロトライガーに較べ、サリーのペンダントの謎の力で進化したビーストライガーは有機的な雰囲気も感じられるデザインになっている気がします。


 プロトライガーにも通常版の外装を付けて。

 寒冷地仕様という感じ。


 ともにエヴォヴラスト第2形態で。

 やっぱりタテガミクローの先端は色を変えてほしかったかな。


 ビーストライガー、進化の系譜。

 プロトビーストライガーがサリーのペンダントの力で進化してビーストライガーになり、その後ジェノスピノとの戦いで損傷したライガーはたまたまそこにあったリジェネレーションキューブによって復活・・ただしプロト状態まで退化。

 しかしその後の戦闘で進化解放し、ライジングライガーとして生まれ変わる・・というのが、アニメ劇中でのざっくりとした過程だったかと。

 キット上での設定では、ライジングライガーのブラストユニットは完全に人工の産物のような扱いでしたが。


 とりあえずブラスト形態・・プロトだけはブラストできないので頭だけ下げて。

 こうして見ると、ビーストライガーのタテガミクローが一番派手なんですけどね。

 単純に物理的攻撃直も一番高そう。

以下、画像

 四肢の連動軸を外して伏せイメージ・・

 からの、疾走イメージ。

 ブースターがかなり自由に動かせるので、雰囲気が出しやすいです。


 さらに前方に回してみたり。

 前向きに噴射することで急速後退も可能な感じ。

 小回りは利かないでしょうが、瞬間的な加速力は通常版よりもありそうですね。

 このブースター、ほかのゾイドのカスタマイズ用にもなかなか使えそうですね。飛行ゾイドにもぴったりだろうし。


 VSキャノンブル。

 冒頭数話だけのヤラレキャラだと思っていたリュック隊長が、仲間になって最後まで出てくるとは思わなかったなぁ。

 しかもずっと一途にキャノンブルに乗ってた。


 通常版装備でエヴォブラスト。

 ヤマアラシっぽい。


 うちにいるライガー系、全機集合。

 覚醒ワルドライガーは持っていないので、全部で6機。

 ボーン流用の分も組めたら、ここにさらに3機加わるのかな。

 さすがにもうこれで終わりでしょう。


 ブラスト発動!

 なんかプロトライガーが虐められてるみたい・・

 こうなると、やはりプロトライガーにもなにかしらギミックが欲しかったですね。

 手動でもいいなら、ブースター展開とかもできたと思うんだけど・・


 以上、“ZWR プロトビーストライガー” でした。


 コトブキヤのHMMも含めてのことですが、ここへ来て予期せぬゾイドの新作ラッシュに胸躍らせているところであります。

 まだ11月に列伝からスピーゲルウルフとHMM レイヴェンラプター、12月にもHMM ライガーセロイクスと控えてますからね。

 少なくとも今年中はまだ勢いを保っていられる。

 来年は・・ちょっとわからんけど。

 さて、プロトビーストライガー、ラインナップとしては意外な感じはしましたが、やはり主人公絡みでなにか欲しいな、というところではあったので、いいところをついてきた、という感じではあります。

 まぁ、レオの主人公としての魅力については・・いや、やめておこう。

 プロトライガー自体、ディアスライガーやアルドリッジタイガーと較べるとどうしても地味ではありますが、追加パーツがすべて新規造形という意味では非常に豪華なキットだったと思います。

 成型色も渋くていい雰囲気ですしね。

 歩くときになんかカシャンカシャンいってますが、それもなんか可愛く思えてきた(笑)。

 やっぱゾイドいいよね。

 もう別にアニメ化とかいいから、なんとかキットだけでシリーズ継続していけないのだろうか?

 もう日本じゃ、アニメのタイアップがないと玩具は売れないのかな?

 でもこの列伝シリーズが、まぁ第5弾移行は少しスパンが長くなるわけですが、それでも継続しているということは、続けられるということは、相応に結果が出ているからなんだと思います。

 まぁ、それも、アニメ版の再現だから売れている、ということなのでしょうが、ただそれも1年前に放送が終了したアニメの仕様ですよ。

 どう考えても、放送時に一般販売してたほうが数は出てたでしょうよ。

 まぁ、その場合は塗装とかいろいろオミットされてた可能性はあるけども。

 完全に時期を間違ってると思うんだなぁ。

 あくまで個人の感想ですが・・


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。