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Waiiha Picturesque

電話の前には発声練習

2021.10.21 11:17

「ダイアル回して手を止めた~。」

僕が生まれた頃は、家には必ず「黒電話」があった。

僕が生まれた頃は、店先には「赤電話」があった。

僕が生まれた頃は、喫茶店には「ピンク色の電話」があった。

駅の構内にも、道路の沿いにも「うす緑色の電話」があった。

僕が電話を意識し始めた頃は、黒電話から「プッシュホン」に移行し始めた頃で、

電話がかかってくると必ず「名字」を伝えていた。

そんな家で、同級生の女の子の家に連絡する時は、とても緊張した。

ダイアルを回しながら、咳払いをして、声にもならない発声練習をしてしまうものだ。

たかだか、学校の行事を伝えるだけなのに…。

「○○様のお宅ででしょうか。」この一声で、すべてが左右する。

相手のお父様が出ないことを心の底から強く祈る!

「あ~。宮原君。」と、同級生の声が受話器から聞こえてきたら、何故だか、

僕は勝ったような気分になっていた。


同世代の男の子「アルアル」だよね!でも何処か良い時代だったとも思う。