『ラストレースへの想い』岩松賢仁

【ラストレースへの想い】

10月28日（木）〜31日（日）にインカレ・全日本が開催されます。コロナウイルス感染拡大防止のため、無観客試合での開催となりますが、熱い応援を宜しくお願い致します。

そこで、レースへの想いを4年生に書いていただきました。

今回の担当は、岩松賢仁（スポ4・熊学大付＝熊本）です。是非、ご一読ください。

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「中途半端人間」

先ずこの場を借りて、全日本選手権及び全日本大学選手権開催のために尽力してくださった多数の関係者の皆様に深く御礼申し上げます。ありがとうございます。

『中途半端人間』

　3年半の漕艇部での生活の中で私自身について振り返って、まず思い浮かんだ言葉です。中途半端人間。

　早稲田大学漕艇部には、様々なバックグラウンドを持ち、｢光るもの｣を持つ部員が沢山います。ボートがめちゃくちゃ速い人、英語ペラペラな帰国子女、底抜けに明るいムードメーカー。私は体格が良いわけでも、エルゴが速いわけでも、金メダルを取ったことがあるわけでもありません。日々の練習の中で他の人が自分の強みを発揮しているなか、「みんなすごいなぁ」と思うと同時に、「自分の強みとは一体何なのだろうか。私はこのチームで何か役割を果たせているのだろうか。」と自己肯定できないこともしばしばありました。それでも、光るものを持つ彼らに少しでも近づけるように、自分に足りないものを埋められるように必死に食らいつく日々を送りました。まだまだ中途半端人間を脱した訳では無いものの、以前よりもボートの技術だけでなく、一人の人間としても成長出来たと実感しています。

　私がこのように成長できたのは、指導してくださった監督コーチの方々をはじめ、日々の生活の中で多くのことを教えてくださった先輩方、立派な先輩像を見せることはあまりできなかったけどついてきてくれた後輩たち、1番長い時間を共にした同期、そして家族のおかげです。特に家族には、経済面の支えもさることながら、私の意志を尊重してくれたことを本当に感謝しています。ありがとうございました。

　10年間続けてきたボート競技も残すところあと一大会となりました。ここで中途半端人間のまま終わってしまうのか、中途半端を脱せるのか。もちろん後者です。それぞれのレースに「一点集中」し、私のボート人生の最後に相応しいものにしていく所存です。

応援の程、何卒よろしくお願いいたします。