約束のネバーランド
幸せに満ち溢れた楽園のような孤児院“グレイス=フィールドハウス”。
そこで暮らす孤児たちは、みんなが“ママ”と呼ぶ母親代わりのイザベラ(北川景子)の下、里親に引き取られる年齢になる日を待っていた。
エマ(浜辺美波)、レイ(城桧吏)、ノーマン(板垣李光人)の3人も、いつか外の世界で暮らすことになれば、より幸せな日々が訪れると信じていた。
そんなある日、里親が見つかり、笑顔で孤児院を後にするコニーを見送ったエマとノーマンは、彼女が肌身離さず持っていた人形が、食堂に落ちているのを発見する。
その忘れ物を届けるため、“決して近づいてはいけない”とママから言われていた”門“に向かう2人。そこで目にしたものは、無残にも命を奪われ、食料として出荷されるコニーの姿だった。
楽園と信じていた孤児院は”鬼に献上する食用児を育てる農園“で、母のように慕っていたママは”最上級の食用児を育てる飼育監“だったのだ。
すべてが偽りだと気付いた3人は、全ての孤児たちを引き連れ、無謀ともいえる脱獄計画をスタートさせるが……。
白井カイウ&出水ぽすか原作の人気コミックを浜辺美波主演で映画化。
欧米を舞台にした漫画の実写映画では、「鋼の錬金術師」の悪き先例があるので心配でした。
最初のうちは、ウィッグを付けて演技するキャラクターに違和感があったが、主人公のエマを演じる浜辺美波やノーマンを演じる板垣李光人やシスター・クローネを演じる渡辺直美やママ・イザベラを演じる北川景子の演技、原作の世界観を壊さないロケーション、キャラクターの年齢の変更のおかげで違和感なく世界観に入り込めた。
ただ、イザベラやシスター・クローネを欺きつつ、脱出する準備をしながら内通者を探す知能戦は薄かった。
中盤から後半のエマたちとイザベラの駆け引きと脱出劇は、スリリングでハラハラドキドキする「私を離さないで」+「進撃の巨人」+「メイズランナー」の薄い版としてファミリー向けのサスペンス映画。