Ribadeo (リバデオ)
ガリシア州の北東端の町Ribadeo(リバデオ)に行った。
全長92kmのRío Eo(エオ川)とそのRío Eoが流れ込むRía de Ribadeo(リバデオ湾)を境にして、その対岸はAsturias(アストゥリアス州)。
Ribadeoはリバデオ湾に面する港町。今回が初めての訪問。
Ribadeoはサンティアゴ巡礼のCamino del Norte(北の道)のガリシア州から歩き始めた場合の起点となる地。
Santiago de Compostelaまで約220km、約10日程の行程だ。
今回、Ribadeoに行った目的は2つ。
Isla Pancha(パンチャ島)に行くことと、Playa de las Catedrales(カテドラレス・ビーチ)で夕日を見ること。
パンチャ島はリバデオ市内から車で10分程度。
小さな半島の先にある灯台とそれに付随する建物があるだけの小さな島。
半島から20m程度の橋が架かっていて歩いて渡れる。
春になるとUña de gato(猫の爪)という名前の植物が赤紫色の花を咲かせ、島全体がこの花で覆われる。
事前にリバデオの観光案内所に問い合わせをして、4月中旬がベストと言われていた。
少し早いが来週はSemana Santaで混みそうなので、7日に行くことにした。
碧い海に浮かぶ島の岩盤の茶色、島の上部を覆う草のグリーン、そのグリーンを覆うUña de gatoの花の赤紫色。
雲ひとつない晴天の下、まるで鮮やかに色付けられた映画のセットで作られた人口の島のようだ。
その島に白い橋がかかっている。
ひとつ残念だったのは右側の建物がホテルになるということで、Semana Santaのオープンを目指し作業中で橋を渡ることができなかったこと。(ホテル完成後も当面はホテル利用者以外は橋を渡ることはできないようだ。)
海沿いの道を車を走らせ、リバデオ湾の入り口に位置するFuerte de San Damián(サン・ダミアン要塞)へ。
要塞跡が公園になっていて、その要塞跡の正面にリバデオ湾に飛び出すように展望デッキがかけられていている。
湾を跨いでガリシア州とアストゥリアス州を繋いでいるのが、Puente de los Santos (ロス・サントス橋)。
この橋の下を通り、ヨットハーバーへ。
ここで車を停めて、リバデオ市内へ向かう。
しばらく坂を登ると街の中心Plaza España(スペイン広場)に到着。
この広場を中心に市役所、観光案内所、ホテル、バル、レストランなどが立ち並ぶ。
海外からの観光客がちらほら。 ちょうど良い時間なのでここで昼食。
昼食後は市内散策。 2つのコースがある。
その一つがRuta de los indianos(インディアノスの家を巡るルート)。
インディアノスとは19世紀後半に南米などに移住し、一旗揚げて20世紀頭に戻ってきた人たち。
故郷に戻ってきて南米で稼いだお金で近代的なお屋敷を建てた。
それらの家々を見て回るコース。
スペイン広場に面して建つリバデオのシンボル的な建物Torre de Los Morenoを筆頭にリバデオ市内に現在でも11棟ほど残っている。
もう一つのコースはスペイン広場からリバデオ湾までの斜面に広がる歴史的エリアを巡るコース。
リバデオ湾を見渡せる位置にかつての街の防衛拠点だった場所が今アタラヤ展望台Mirador de la Atalayaとして残っている。
確かにリバデオ湾に侵入してくる敵を攻撃するには最適の場所。
この展望台にはリバデオ最古の教会Capilla de la Atalaya(アタラヤ礼拝堂)が残っている。
この展望台からAscensor Panorámico(パノラマエレベーター)でリバデオ湾に降りられる。
次に向かったのは、Rinlo(リンロ)。
リバデオから約7km西に位置する、小さな小さな港町リンロ。
特別な理由はないが、好きな町。
Paseo Marítimo(海沿いの歩道)を歩く。
ここにも所々Uña de gato(猫の爪)が花を咲かせている。
この花の色が海のブルーにとても映える。
ここはリバデオからカテドラレス・ビーチまでの散策ルートRuta de la Costa(16km)の途中。
ずっとカンタブリア海沿いの道を歩くルート。いつか歩いて見たい。
最後に向かったのは、Playa de las Catedrales(カテドラレス・ビーチ)。
本日の2つ目の目的である、ここで夕日を見るため。
Playa de las Catedrales(カテドラレス・ビーチ)に行くには干潮の時間を調べることが必須。
断崖の下にビーチがあり、干潮時にしか砂浜が現れないのだ。
この日の干潮は朝の9時と夜の9時。しかも、日没が9時。
干潮時と日没時が重なる絶好の日。
こんな日は年に何回とない。しかも天候にも恵まれていないといけない。
ただ、夕日が赤く見えるためにはその他の自然現象の条件も必要なのだが、天に祈りつつロケハン。
今は時期的に海に太陽が沈まず陸地側に沈むので、今回はビーチには降りず、断崖の上から絶好のポイントを探すことにした。
このビーチにはたくさんの人。
このビーチには長い年月をかけて自然によって創られた岩の芸術が点在し、干潮時にのみその姿の全貌を見ることができる。
その中のひとつ、海に向かって垂直に伸びる大きな岩。
その海寄りの部分の側面がくり抜かれ窓のように空いている。
干潮時以外はこの岩の上部しか見えないのだが、干潮時にはこの岩の大きな窓が現れる。
秋であればこの窓の向こうに海に沈んで行く夕日を見られるのでビーチからの方がいいのだが、今回はもっと陸地側に太陽が沈むので断崖の上から見ることに。
断崖には柵が全くなく、小さな立て看板が所々にあるだけなので、断崖の淵まで行こうと思えばいけるのだがとても危険。
下のビーチにはたくさんの人がいるのに、断崖の上には自分一人。
しばらく歩き岩と夕日が両方見られる場所を見つけ、待機。
ただ今日は快晴で上空には雲ひとつないため、赤い夕日は見えそうにない。
さらに、夕日の沈む方角に低く厚い雲が垂れ込めている。
残念ながら赤い夕焼けは見られなかったが、夕日に照らされた岩や人々の長い影が浜辺に投影され、ビーチに所々残っている海水がキラキラと反射し、赤い夕日とは別の美しさを味わえた。