雨後の筍
2017.04.13 23:04
竹にはフシ(節)がある。節があるからこそ強いのだ。人生も成長の過程で様々な節目がやってくる。その時は苦しいかもしれないが、それを乗り越えてこそ次の成長がある。
そんな言葉を聞いたことがあります。多くの人が語る人生訓、処世訓と言われる言葉の中には、「そうなのだ」とうなずけるものも多いのですが、・・・・。
では、竹の節目はどうでしょうか。
竹の種類は70種類あると言われていますが、よく知られているのがモウソウチク(孟宗竹)、ハチク(淡竹)、マダケ(真竹)です。いずれも中国原産だと言われています。
これらの竹は、地下茎によって増えていきます。私たちが食べるタケノコ(筍)は、地下茎から伸びた新しい芽なのです。このタケノコは、地下茎で繋がった他の竹が作った栄養で育ち、2~3ヶ月で1人前の大きさになり葉を茂らせ光合成をはじめます。
多くの植物では生長点が枝や幹の先の部分にあるのですが、竹の成長点は、帯状になっていて、それぞれの節にあります。竹の生長は、伸びていく間に節をつくって、その節を乗り越えて次の成長をしていくのではなくて、子どもの時にはすでに大人になった時と同じ数の節を持っていて、それぞれの節がそれぞれで伸びていく結果として全体では、目を見張るような急速な成長を遂げることが出来るわけです。竹の生長は、節が増えるのではなくて節と節との間が広がることによって背丈をのばす仕組みになっていたのです。
「雨後の筍」と言われるような急速な成長は、他の植物よりもいち早く林から抜け出してより多くの陽射しを受けるために竹が身につけてきた生き残りのための戦略だったのです。